「カープ女子はどこ行った?」の声も…広島カープ“観客動員数”リーグワーストの背景にマツダスタジアムの抱える“問題”

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ビジターにももっと開放を

 だが、観客動員の減少は、人気の低迷のせいだけではなさそうだという。というのも、その2万人ほどしか入らなかった巨人戦だが、広島ベンチのある一塁側やライトスタンドの席は埋まっており、空席は主に三塁側やレフトスタンドに集中していたからだ。ここで指摘されるのが「チケット販売方法の見直し」である。

 同球場での広島戦を指して、「やりにくい」と話すセ・リーグ球団の首脳陣は少なくない。それは球場の四方をカープファンで埋め尽くされ、ビジターチームの応援団に開放されているエリアは、レフト側のファールグラウンドの一角だけだからだ。ビジター応援席をもっと増やせば、一定の動員は見込めるのではないかという。

「Jリーグ・サンフレッチェ広島が24年2月に新スタジアム『エディオンピースウイング広島』をオープンさせ、地域の関心がそちらに向いているとの情報も聞かれました」(前出・同)

 他球団と異なり、マツダスタジアムのチケットは毎年3月1日にシーズン終了まで一斉販売され、これまでは“ほぼ完売”していた。昨年あたりから、「当日券」も売り出されるようになったものの、「カープ女子」が流行語大賞にノミネートされた14年と、3連覇を果たした16年から18年までは「カープ戦のチケットが買えない」という悲鳴が広島県内で聞かれた。

 16年の1試合平均の観客動員数は2万9963人、17年は3万0670人、18年3万1000人。しかし、新型コロナウイルス禍の無観客試合が解除された23年以降は観客動員数がじわじわと減り始めている。24年は1試合平均2万9376人で、阪神の独走を許した昨季は2万8356人だった。このまま行けば、今季はさらに数値を落とすだろう。

「屋外の野球場の全体に言える話ですが、試合開始の時間が午後6時であっても、グラウンドには日中の暑さが残っています。スタンドのお客さんも試合序盤は観戦しにくさを感じているようです」(在京球団スタッフ)

 もっとも、チケットの販売方法を見直すだけでは、対策は不十分だ。チームが強くなることが最大のファンサービスである。

 24試合を消化した時点で、広島は8勝15敗1分け。借金7で中日ドラゴンズと僅差での最下位争いが続いている。「勝つこと」が観客を呼び戻す最大の手段であることは否定しないが、中日は最下位に沈んだ年も本拠地・バンテリンドームを満員にしてきた。「地元愛」という意味では広島も引けを取らないが、プロ野球である以上、「負け方」も意識しなければならない。

ファンに未来を見せて

 新井監督は1番・平川蓮(22)、4番・佐々木泰(23)、8番・勝田成(22)という若手主体の打線でペナントレースに突入した。開幕戦のサヨナラ安打は勝田のバットから生まれている。その後、チームの精神的支柱である菊池涼介(36)がスタメンから外れ、秋山翔吾(38)、野間峻祥(33)、矢野雅哉(27)といったベテランや実績のある選手も途中出場となっていた。当初は「若く、新しいチームに作り変える」という期待感もあったが、若い選手たちは結果を出せずに苦しんでいた。新井監督はチームの負けが込むのと同時に秋山や野間をスタメンに戻し、若手がベンチスタートとなってしまった。

「4月25日の阪神戦ですが、1点ビハインドで迎えた9回、無死一塁で打席のまわってきた佐々木に出したサインは送りバントでした。その二塁に進んだ走者が同点のホームベースを踏み、延長戦に入りましたが、開幕4番を託した未来の主砲に、バントをさせたのには驚きました」(前出・地元メディア関係者)

 若手の出場機会も減り、チームの未来も見えなくなってしまった。それがファン離れの原因にも挙げられている。もっとも、「レギュラーは与えられるものではなく、奪うもの」との厳しい意見も聞かれた。

「新井監督の優しさも影響しているようです。菊池、秋山、矢野、野間も若手と同じくらい練習しています。彼らにもチャンスを与えてやりたいと思ったと聞いています」(前出・同)

 ビジターファンにもチケットを買ってもらうような販売方法も検討しなければならないが、広島は昭和から育成のチームでもある。生え抜き選手がチームの中核を担っているものの、最初から結果を出した若手はいなかった。勝つことも重要だが、新井監督はファンに“未来”を見せなければならない。

デイリー新潮編集部

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