「ゲージツ家のクマさん」篠原勝之さん “自分のやりたいこと”と真摯に向き合い続けた「粋な人生」
“粋”でロック
この頃、テレビ番組や映画などで共演した経験を持つロックバンド「カブキロックス」ボーカルの氏神一番(67)が言う。
「クマさんは“人への興味があるから出ているだけで、テレビにこだわりはないんだ。タモリさんやビートたけしさんに会いに行きたいだけなんだ”と話していました。実際、テレビの仕事をスッパリ辞め、山梨に工房を構えたのも、ごく自然な成り行きに映りました。何事にも執着せず、自分のやりたいことと真摯に向き合う。よく“俺は野暮にはならねえ”と言っていましたが、そんなクマさんの生き方を拙者は“粋”でロックだと感じていました」
95年に山梨県北杜市に作業場を構えると、21年には奈良県へ移住。晩年になっても精力的に創作を続けていたが、昨年12月、咽頭がんで放射線治療を受けていることを公表した。
「クマさんに最後に会ったのは10年以上前です。心の中ではクマさんに畏怖の念を抱いていました。これまでいろんな人と会ってきましたが、自分の住む世界とまるで違う世界を生きている人はクマさんが初めてだった。俺の中では、唯一無二の存在でした」(前田)
人生の終わりを「離陸」と表現した篠原さん。その言葉通り、高く遠くへ旅立った。





