「1分単位で残業代を要求」「入社初日の昼休みに“辞めたい”」 退職代行のプロが明かす令和の新入社員事情 「依頼は昨年の1.5倍以上」
「初日の4月1日に研修を4時間受けただけで……」
年度が替わり、職場では胸に夢を秘めた初々しい新入社員が躍動――とばかりはいかず、中には驚きの行動に出る者もいるという。令和の最新・新入社員事情を紹介する。
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初めに、今年度の新入社員の「傾向」について、8年前から退職代行を手がけている「川越みずほ法律会計」の清水隆久弁護士が説明する。
「毎年4月は依頼が急増しますが、今年は10日までに200件ほど、新入社員からの依頼がありました。昨年の1.5倍以上のペースになります」
すさまじい件数だが、一体どのような依頼が舞い込んでいるのだろうか。
「サービス業の会社に入社した男性が、初日の4月1日に研修を4時間受けただけで、そのまま辞めたケースがありました」(同)
スピーディー過ぎる退職の引き金となったのは、
「事前に渡されていたマニュアルを入社日までに読んでおらず、研修できつく怒られたことのようです。“パワハラだ。こんなに厳しいならついていけない”と即座に見切りをつけた。私は“行き過ぎた指導だったかもしれないけど、パワハラとはいえないんじゃないか”とお伝えしました」(同)
朝20分、早めの出社が残業?
この男性が清水氏に依頼の電話をかけてきたのは午前11時半。
「お昼休みだったようで“このまま仕事場に戻りたくない”“13時に研修が再開するから、ちょうど13時に辞めることを伝えてほしい”とのことでした。私は13時に会社の総務に電話して、退職の通知を送りたい旨を伝えてからファックスで書類を送りました」(清水氏)
ほかにもこんな事例がある。
「あるシステムエンジニアの新入社員は、会社から“残業代なんて支払わない”と言われたようです。残業代も出ない会社にはいたくないから辞めるということで、そこまではよかった。しかし、彼からは残業代を請求してほしいとも依頼されまして、それは難しいと断りました」(同)
気になるのは残業の実態だが、
「内訳は朝20分、夜40分。朝というのは、おそらく上司に“早めに来いよ”と言われたのだと思います。当然ですが、朝、早めに出社しても、ボーッとしていたら就業したことになりません。私が“朝からガツガツ仕事していたんですか?”と聞けば“していません”と。それでは残業というのはきついです」(同)
“AIに聞いたんですか?”
加えて、この新入社員氏は、次のように尋ねてきたという。
「“残業代は1分単位で出ますよね?”と聞いてきました。働き始めなのにどうして知っているか気になったので“AIに聞いたんですか?”と問うと、“まあ、はい”。たしかに法的には1分単位で請求できますが、今回は研修中だし、本当に残業といえるのか難しい案件なんですよ。私は“まだ給料の締め日も来ていないのだから、その話をするのは早いのでは?”と言いました」(清水氏)
清水氏によれば、今年は顕著な特徴が見られるという。
「生成AIを使っていると感じるケースが増えました。私の事務所ではLINEでも相談を受け付けるのですが、一発でAIだと分かる文章が多い。それらは根拠もなく“不当だから慰謝料を請求できるはず”“先生にも成功報酬を払えるからメリットがある”などと言ってきます。こちらが法的な説明をしても、さらにAIで作った文章で反論してくる。これには本当に困ってしまいます」
4月16日発売の「週刊新潮」では、こうした「最近の若者」への“対処法”を含め、複数の識者の見解を交えながら「令和の新入社員」について特集する。



