米スカウト最注目「侍ジャパン戦士」の“打撃改造”に一抹の不安…NPBでは絶好調も将来のメジャー挑戦は大丈夫か
米スカウトの見方
「佐藤はWBCの前と後で、スイング時のテイクバックが小さくなったように見えました。バットコンタクト率は上がったのかもしれませんが、将来のメジャー挑戦で、彼がどんなバッターを目指すのかが分からなくなりました」(前出・スカウト)
そもそも、佐藤の素質に米スカウトが気付き、最優先の視察選手になったきっかけは昨年3月のドジャースとの練習試合だった。佐藤はサイ・ヤング賞に2度も選ばれた左腕、ブレイク・スネル(33)から3ランアーチを放っている。
「その一戦は米テレビ局LAによって、アメリカでも放送されました。副音声での解説者席にドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長が座り、『スネルはメジャー通算9年、計1000イニングを超える登板において、左バッターに打たれたホームランはたった15本、被打率1割9分5厘なんだ』と話していました。スネルがいかに左バッターを抑えてきたかを話している最中に、佐藤の豪快なホームランが出たんです。打球がスタンド中段に飛び込むまでの間、フリードマン編成本部長は『ウソだろ?』の意味で『Oh、Oh、Oh!』と言っていました。編成本部長の驚きが、スカウトたちに強烈に佐藤を印象付けたんです」(前出・同)
ドジャースファンにも、強い印象を与えたようだ。
今季の開幕戦直後、ドジャースを応援する専門誌「Dodgers Nation」(Web版)が「ドジャース入りが期待される次世代の日本人選手たち」なる特集を組み、その筆頭で佐藤を紹介していた。
<彼はホワイトソックスと契約した村上宗隆(26)と似たタイプで、長打力はあるものの、積極的な打撃スタイルゆえに三振も多い。だが、常に強い打球を放つことができる。三塁守備に関しては特筆すべきものはない。(正三塁手の)マックス・マンシー(35)が年齢を重ねるにつれ、佐藤の27歳という若さは魅力だ。有望な強打者として、佐藤が台頭してくる可能性がある。WBCでも長打率6割の好成績を残し、その将来性を示した>
ドジャースファンは佐藤の挑戦を待ち望んでいるのは間違いないが、最大の魅力は飛距離ではなく、「強い打球」と捉えていた。今、米スカウトたちは脱力打法に変わったことで強い打球を飛ばせるのかどうかを見極めているというわけだ。
やはり基本は豪快スイング
「WBC中、NPBから選出された野手陣は、MLB組の大谷翔平(31)や吉田正尚(32)のフリー打撃練習に見入っていましたが、彼らもテイクバックは小さくてもスイングそのものは豪快で力強い。2023年の前回大会で村上は、メジャー投手のスピードボールに対応しようとし、テイクバックの小さいスイングに改造しました。22年の三冠王獲得後、彼の打撃に豪快さがなくなったのは、その影響だと言われています」(前出・同)
村上が大型契約を結ぶことができなかったのは、こうした要因もあったのではないか。
打率トップを走る佐藤の成績を改めて見直してみると、開幕10試合終了時点で三振12はリーグ2位タイ(同時点)。三振の多さは変わっていないが、本塁打「1」はやはり気になる。もっとも、得点圏打率は6割2分5厘で、規定打席数に到達した12球団選手のなかでも圧倒的に高い。
「ホームランか、三振」のスタイルから変貌を遂げたが、米スカウトは打球速度と強さに指標を変えて佐藤の評価をやり直している。
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