阪神“圧倒的本命”に揺らぎはあるか…開幕で見えた“死角”を検証する!
主力に不調が起きた場合のリスク
一方、野手陣は、近本、中野拓夢、森下翔太、佐藤輝明、大山悠輔と続く上位打線が固定されている点が大きな強みである。しかし、上位打線の安定感の裏には懸念があるという。チーム関係者はこう語る。
「レギュラーが固定されているのは良いことですが、実績がある分、先発から外しづらい側面はあります。岡田彰布前監督は、主力でも状態が悪ければ思い切って外し、それがチームの活性化につながっていました。ただ藤川球児監督が就任した昨年はそうした動きが見られなかった。5人とも結果を残しましたが、これが毎年続くとは限りません。機能しなかった時にどう判断するか。その点は藤川監督の手腕が問われます」
実際、昨年は1番から5番まで同じ打順で120試合以上スタメン出場した。このようなケースは阪神以外に見当たらない。主力に故障や不調といった不測の事態が起きた場合、一気に得点力が落ちるリスクを抱えている。
さらにもう一つの懸念は、その主力を支える層の薄さだ。球団関係者はこう続ける。
「一昨年は前川右京が結果を残し、次の中軸として期待されましたが、昨年は成績を落とし、今年も開幕一軍を逃しました。ドラフト1位の立石正広は怪我で出遅れている。捕手登録の中川勇斗を外野で起用していますが、中軸としては物足りない印象です。昨年の日本シリーズでは6番以降が機能せず、それが敗因の一つと指摘されました。この課題は解消の目途が立っていません。立石が6番・レフトに定着する形が理想ですが、離脱が長引けば、日替わり起用でしのぐ形になりそうです」
佐藤輝明は今オフにもメジャー移籍の可能性がある。チームの将来を見据えれば、若手の底上げは避けて通れない。勝利と育成の両立が難しいことは、ライバルである巨人の歩みを見れば明らかだ。
盤石に見える戦力の裏側には、中継ぎの不安と野手層の薄さという明確な課題がある。主力依存の構造は、ひとたび歯車が狂えば一気に揺らぐ危うさを抱える。優勝候補の筆頭と目される今季の阪神は「勝つこと」だけでなく、「勝ち続けられるチームかどうか」を示さなければならない。評価の高さに見合う中身を備えているのか。その答えがシーズンを通して突きつけられる。









