家族に絶句されて「自分は普通ではない」とやっと気づいた…29歳で年収1000万円、借金500万円 元保険マンFPが“見栄浪費”地獄を抜け出すまで

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「見栄消費はださい」へとマインドを書き換え

 マネー管理法の改善と同様に重要だったのが、マインドの転換だった。岩切さんは「人に見せたい」「自慢したい」という動機の買い物=見栄消費を、「子どもの目から見て格好いい大人か?」という基準で問い直したのである。

「ジャラジャラと高いものを身につけて虚勢を張る大人は、実は最高にダサいのではないか。そう我に返ってから、不思議と高額出費の誘惑が消えていきました」

 岩切さんはそう振り返る。かつての散財癖は影を潜め、水筒を持ち歩き、スーパーの割引惣菜で夕食を済ませる生活に何の抵抗も感じなくなったという。

 こうした仕組みづくりとマインドの書き換えにより、約5年で500万円近い借金を完済。その後もこのライフスタイルを継続し、貯蓄、さらにはNISAでの投資もできるようになった。

 現在、FPとして活動する岩切さんは、かつての失敗を糧に、現在はお金の管理に悩む相談者にアドバイスをしている。その際に伝えているのは、お金の管理が苦手な人は、自分の弱さを認め、根性論に陥ることなく「仕組み」を変えることの重要性だ。それが生活立て直しの鍵となる。

 また、お金のルールはできるだけシンプルに、続けていけるようにすることだ。まずは「先取り貯蓄」と「支出はクレカに集約し、アプリで明細をこまめに確認」することを岩切さんは推奨している。

 目標額は、「収入のウン%を貯蓄へ」という教科書通りの数字ではなく、将来必要な資金から逆算し、「月々これだけ先取り貯蓄する」と決めるようアドバイスしている。

「使えるお金の範囲を知っておいたら、あとは推し活でも何でも、自分が使える『キャパシティ』の範囲内であれば、全力で楽しんでいいんです。一般的な支出の配分におさめようとすると、長続きしませんから」

 大事なのは、自分の性格を知って、それに合った仕組みをつくること。

「みなさんが一日でも早く自分に合った方法をみつけられることを願っています!」

岩切健一郎(いわきり・けんいちろう)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)。1986年生まれ。29歳で適応障害とADHD(注意欠陥多動性障害)の診断を受ける。コンサルティング会社や外資系保険会社の営業職を経て、現在は保険代理店に在籍。合同会社ひなた代表として、発達障害当事者やその家族に特化したFP(ファイナンシャルプランナー)として活動中。著書に『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』(ダイヤモンド社)がある。

取材・文/鷺島鈴香

デイリー新潮編集部

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