横浜は“最激戦ブロック”へ 大阪桐蔭が優勝候補の筆頭か…戦力と組み合わせから読む「センバツ勢力図」

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戦力ダウンは避けられない九州国際大付

 もう1校、“連覇”の期待がかかるのは昨年夏の甲子園優勝校である沖縄尚学(沖縄)だ。

 末吉良丞(3年)、新垣有絃(3年)の左右の二枚看板を筆頭に力のある投手が揃い、失点が計算できる点は大きな強みである。

 一方で野手陣はレギュラー全員が夏から入れ替わり、秋の九州大会では2試合でわずか2得点と得点力不足が大きな課題となっている。また大黒柱である末吉の状態も不安材料の一つだ。

「秋は夏の疲れもあってか明らかに本調子ではありませんでした。また体重が増えすぎてバランスが悪くなり、制球にも相当苦しんでいた印象です。冬の間にもう一度体を絞って体重を落としたそうですが、まだ良い時の状態には戻っていないように見えますね」(九州地区担当スカウト)

 沖縄尚学は開会式直後の開幕カードで帝京(東京)と対戦する。いきなりの難敵だ。末吉の状態を考えると、調整する期間が少ないこの日程はマイナスに働く可能性もあるだろう。

 秋の戦いぶりを見ると、11月の明治神宮大会を制した九州国際大付(福岡)も当然優勝候補に挙がる。

 明治神宮大会の3試合で25得点を叩き出した強力打線は大きな武器だ。しかし主砲の牟礼翔(3年)に生徒指導案件が発覚し、今大会は出場停止となることが明らかになった。

 他にも力のある野手は揃うが、戦力ダウンは避けられない。初戦で明治神宮大会決勝の相手だった神戸国際大付(兵庫)と再戦するのも、決して楽な条件ではないだろう。

レベルの高い熱戦に

 戦力と組み合わせを総合的に考えると、優勝候補の筆頭として推したいのは大阪桐蔭(大阪)だ。

 エースの吉岡貫介(3年)は175cmと投手としては小柄な部類に入るが、コンスタントに150キロ前後をマークするストレートの勢いは圧倒的で、秋の公式戦でもイニング数を大きく上回る三振を奪った。

 吉岡と二枚看板を形成する川本晴大(2年)も192cmの長身から投げ下ろすストレートは140キロ台中盤をマークし、課題だった制球力も着実に向上している。

 野手も旧チームから中軸の内海竣太(3年)、秋の公式戦で5割以上の打率を残した谷淵瑛仁(3年)ら力のある選手が揃う。

 秋の近畿大会準決勝では神戸国際大付に敗れたが、この試合で吉岡と川本は登板しておらず、余力を感じさせる敗戦だった。

 そして追い風になりそうなのは組み合わせ抽選の結果だ。同じブロックに優勝候補と見られるチームは不在で、大阪桐蔭が頭一つ抜けているように見える。

 過去に優勝した大会でも試合を重ねるごとにチーム状態を上げていくケースが多かっただけに、一気に頂点まで駆け上がる可能性も高そうだ。

 対抗として推したいのは山梨学院(山梨)である。

 194cm、101kgの高校生離れした体格を生かした投打に注目が集まる菰田陽生(3年)、旧チームから経験十分のサウスポー・桧垣瑠輝斗(3年)の2人を中心に投手陣の層は厚い。

 野手もレギュラーは昨年夏から全員が入れ替わったが、秋の関東大会では3試合で31得点を叩き出すなど切れ目のない打線が光る。

 明治神宮大会優勝の九州国際大付、準優勝の神戸国際大付と同じブロックに入ったが、総合力ではリードしている印象で、2023年以来となる2度目の優勝も十分射程圏内と言えるだろう。

 また今大会からは指名打者(DH)制が初めて導入され、それをどう活用するかも大きなポイントとなる。ドラフト候補という意味でも紹介した織田、菰田、吉岡ら注目選手も多く、レベルの高い熱戦になりそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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