「主演級ではない俳優たちに打診せざるを得なかった」 フジテレビ夏ドラマの“パッとしない”キャスティング 「格落ち感が否めない」

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 株主総会で新たな経営陣が承認され、今月6日には「検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~」を放送。フジテレビは企業イメージの回復に必死だが、“金看板”の連続ドラマの評判がどうにもイマイチだ。

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過去の主演俳優と比べると“格落ち”の印象

 芸能デスクが解説する。

「フジの連ドラといえば、織田裕二(57)、福山雅治(56)、木村拓哉(52)、松嶋菜々子(51)といった旬の人気俳優を惜しげもなく起用するのが特徴で、月曜日の午後9時から放送される作品は“月9”と呼ばれて視聴者に親しまれてきた。1980年代から90年代には社会現象になるほどのヒット作が相次ぎ、“トレンディードラマ”との呼称が世間に定着したほどです」

 黄金時代もいまは昔で、

「すでに放送が始まっている作品も含めて、7月期ドラマの主演者がいずれもパッとしません。言葉は悪いですが、過去の主演俳優と比べると、どうにも格落ちの印象が拭えません」

 連ドラのラインナップは以下の通り。月9は福原遥(26)が児童相談所に出向した女性警察官を演じる「明日はもっと、いい日になる」。同日夜10時からは、磯村勇斗(32)が、学校に法的な助言を行う弁護士役を担う「僕達はまだその星の校則を知らない」。

 翌火曜日は、午後9時から森川葵(30)が、おとり捜査の専門チームを率いるキャリア警察官役の「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」と、本田翼(33)が3年ぶりに連ドラ主演を務める深夜帯のラブコメ「北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。」だ。水曜夜10時は、藤木直人(53)が難事件の解決に挑む天才的な鑑定人として登場する「最後の鑑定人」という具合。

 さらに木曜夜10時の「愛の、がっこう」は、木村文乃(37)が高校教師を演じるラブストーリーで、同日深夜放送の「ロンダリング」は、アイドルグループ「なにわ男子」の藤原丈一郎(29)が、死者の声が聞こえる不動産屋勤務の若者役に挑む。

他局はピカピカの売れっ子を起用

 興味深いのは今回、本田以外がプライム帯に放送されるフジの連ドラでの単独主演が初めてという点だ。

「福原は放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう』に出演していますが、彼女以外はこのところ連ドラから縁遠かった印象。NHKが綾瀬はるか(40)を、TBSが松本潤(41)、清原果耶(23)に成田凌(31)と、他局がピカピカの売れっ子を起用しているのとは対照的です」

 ちなみに昨年、開局以来初となる個人視聴率3冠(全日、ゴールデン、プライム)を達成したテレビ朝日のドラマは、阿部サダヲ(55)と松たか子(48)、大森南朋(53)、相葉雅紀(42)、日本テレビが櫻井翔(43)といった豪華な顔ぶれで主演を占めている。

 言うまでもなく、フジの凋落の理由は明らかだ。大手芸能事務所関係者が言う。

「中居正広氏(52)と女性アナウンサーのトラブルが明らかになった1月は、7月期ドラマが企画される時期でした。芸能事務所にしても、厳しい批判にさらされたフジからの出演オファーには慎重になっていました」

 急激に悪化した、フジの台所事情も見逃せない。

「1月末の時点で、フジへのCM出稿を差し止めた企業は311社に達し、5月に発表された令和6年度の決算は328億円という巨額の赤字でした。予算の面で高額な出演料を提示できず、それで本来は主演級ではない俳優たちに打診せざるを得なかったそうです」

 月9のタイトル「明日はもっと、いい日になる」が、ドラマ制作陣の切実な願いに見えなくもない――。

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