「日本が圧倒的に強い」はずが… 世界麻雀で“まさかのチーム”が優勝したワケ
個人戦は日本人が優勝
腕に覚えのある雀士が激戦を繰り広げた「世界麻雀(WRC)」の東京大会が、7月6日に終了した。この大会、リーチ麻雀という日本式ルールで行われることもあって日本が圧倒的に強い。過去3回とも、個人戦のチャンピオンは日本人で、今回も内川幸太郎プロ(Mリーグ)が優勝している。
ところが、今大会で初めて導入された「国別対抗チーム戦(以下、団体戦)」では、ポルトガル・スペインチームが世界王者に輝いたのだ。
世界麻雀のホームページによると、団体戦に参加したのは45チームで、日本からは最多の8チームが挑んでいる。1チームは4~5人からなり、上位8チームが次の準決勝に進む。決勝は4チームに絞られ、さらに「決勝2回戦」で、それぞれのチームの代表1名が最後の1試合を戦い、得点を争うのだ。
麻雀は東アジア圏の国が伝統的に強いが、アメリカも今回は5チームを送り込んできている。下馬評では日本や中国、台湾のほか「アメリカEチーム」やフランスも上位に食い込んでくるとみられていた。
ところが、ふたを開けてみれば、ポルトガル・スペインチームが、準決勝に進んだ時点で2位につけ、決勝1回戦では、大本命の日本を追い抜き首位に。最後となる2回戦で麻雀卓に座ったリンシュアン・ホー氏(スペイン)が逃げ切りに成功。強豪を抑えての逆転勝利だったわけだが、それにしても、ポルトガルやスペインって麻雀が人気だった?
「知的職業に就いている人がプレーするゲーム」
「世界麻雀」の運営委員でプロ雀士の山井弘氏によると、
「私も詳しいわけではないのですが、ポルトガルやスペインにプロリーグはありません。麻雀人口も多いとはいえず、クラブがいくつかあるぐらいでしょう。でも、最近は動画でMリーグの戦いを勉強したり、SNSで麻雀に関する情報を交換する人たちが増えてきました。また、ネットの対戦ゲームもある。欧米のプレーヤーの実力が上がっている上に、短期決戦(1日)だったことで、勢いのあったポルトガル・スペインが押し切ったのでしょう」
ちなみに、前出のホー氏はユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの博士課程に在籍する大学院生である。
「以前の日本では、やさぐれたイメージもあった麻雀ですが、欧米では“知的ゲーム”だと見られている。知的職業に就いている方がプレーするのが、向こうでの麻雀なのです」(同)
次の大会は3年後のニューヨーク。麻雀大国ニッポンを脅かす存在が増えるかも?