「おそらく中居氏にもAさんにも取材依頼をしていない」 フジ検証番組の“ありえない欠陥”を元プロデューサーが指摘

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 ようやく放送されたフジテレビの「検証番組」。元タレントの中居正広氏(52)による女性トラブルに端を発したガバナンス問題を、自ら調査して総括することが目的だった。が、今一つ評価を得ていないのはなぜか。

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第三者委の報告書をなぞるばかり

 フジは6月25日の株主総会を乗り切り、CMスポンサーにもサントリーなど一部の企業が戻ってきた。

「そうしたさなかの7月6日に『検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~』が放送されました。話題を集めたのは、前社長の港浩一氏(73)が“きれいな女子社員だけを集めてチームを作り、彼女らを接待要員として飲み会に呼んでいた”との問題について、インタビュアー役から厳しい質問を投げかけられた場面。“楽しい仲間ができればよかったのですが……”などと頓珍漢な答えを口にし、フジの病巣の根深さを改めて認識させました」(放送記者)

 もっとも、全体としては不満だとの声が社内からも。

「3月末に公表された第三者委の調査報告書を、なぞるばかりの内容でしたね」

 とは、当のフジ社員。

「番組の前半は、中居が元フジの女性アナAさんに性加害を起こした後、うちが対応を誤っていく過程を振り返りました。この肝心なパートで当時のアナウンス部長、佐々木恭子氏(52)にインタビューするなど、当事者たちに心境を語らせてはいます。けれど、報告書以上の新たな事実関係は特に出てきませんでした」

中居氏の反論を“見て見ぬふり”

 番組構成上、極めて不可解な点もあった。

「中居とAさん、双方のインタビューを行えなかったのはまぁ、致し方なかったのかもしれない。ただ、ド真ん中の当事者たる二人にそもそも取材を試みたのかどうか。その点にすら言及がなかったのです」(前出のフジ社員)

 この言い分は至極妥当だ。

「40年も権勢を振るったフジの“ドン”こと日枝久さん(元取締役相談役)については“取材依頼を3回も断られた”事実がわざわざ明かされています。やることはやったと言わんばかりに、です」(同)

 内容が調査報告書の域を出ないことも問題である。

「中居は5月、伝聞証拠により一方的な加害者認定をされたなどとして、第三者委に釈明等を要求する“反論文書”を2度も提出。検証番組の放送前日にも3度目となる同様の趣旨の文書を公表した。Aさんサイドも6月、中居の反論のせいで誹謗中傷にさらされていると応戦し、『週刊ポスト』で中居の謝罪メールを公表するに及んでいる。その後も展開中の事態を、番組は見て見ぬふりをしている形です」(スポーツ紙記者)

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