二軍落ち「田中将大」が3試合で「27被安打13失点」の大炎上…巨人OBの元技巧派投手は「嫌な投手」から「打ちやすい投手」になっていると指摘

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投球フォームの見直しが必要

 差し込まれた球に食らいつき、何とかバットを振ってもボテボテの内野ゴロになるのが精一杯。田中にとっては簡単に1アウトを取ることができた。

 前田氏が注目するのは、田中の腕の振りだ。巨人に入団してから腕の振りが遅くなってしまっているという。

「今の田中投手は、ゆっくりとした投球動作から、同じようなテンポで腕が振られています。これで打者には間が取りやすくなりました。球が差し込んでくる感覚が消え、素直な球に見えているはずです。こうなると2軍の打者であっても最悪、ファウルで逃げることが可能になります。そこで田中投手は相手打者を打ち取ろうと、どうしてもストライクを取りに行かざるを得なくなります。そして甘く入ったところを痛打される、というのが対DeNA戦と対ヤクルト戦で起きたことでしょう」(同・前田氏)

 引退を決意しなければならないほどの年齢ではない。だが、若い時と同じように体を動かすことはできない。前田氏は「田中投手は加齢の悪影響を冷静に分析し、フォームのメカニズムを見つめ直す必要があります」と言う。

間違った改善法か

「僕もロッテ時代は若さに任せて投げるだけでした。それが25歳で中日に入団すると、星野仙一監督の指導で変化球に磨きを掛けました。全ての持ち球で、しっかりストライクを取れるようにしたのです。次に31歳で巨人に入ると、低めのコントロールを改善して投手生命を伸ばしました。田中投手もベテランとしての経験を活かし、体の動かし方を36歳という年齢にフィットしたものに改善する。そうすれば再び打者にとって打ちにくい、嫌な投手となり、見事に復活を成し遂げるでしょう。ただ僕の印象ですが、今の田中投手はコントロールの改善に力を注いでいるように見えます。田中投手が打たれている原因はコントロールではなく、腕の振りといった“間”の問題だと考えているのは説明した通りです。田中投手が間違った改善法に突き進んでいないか、心配しているというのが率直なところです」(同・前田氏)

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