鈴木福に演技論を聞かれ「おれに聞くなよ(笑)」と笑う舘ひろし 子役時代から福を知る山東昭子は「喋りも芝居もどんどん良くなってる」【対談】

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 6月某日、東京・練馬区の東映東京撮影所の一室に集まった三人。俳優の舘ひろし(75)、鈴木福(21)、そして山東昭子元参議院議長(83)。顔を合わせた瞬間から、まるで家族のように和気あいあいと語り合い始めた。

 ***

舘ひろし主演映画に「胸を打たれた」

 この日の会話のテーマは11月に公開される舘主演の映画
「港のひかり」。北陸の漁村を舞台に、元ヤクザという過去を捨て、孤独に生きる漁師が目の見えない少年と出会ってからの十数年の友情を描いた作品だ。舘は「誰かのために生きる」というかつての親分の教えをひたすらに守り通そうとする孤独な男を演じている。

 ひと足早くこの映画を観た山東と福が、どうしても舘に映画の感動を伝えたいということで、顔を合わせることに。

 着席するなり三人は舘の主演映画の話題で盛り上がる。

「自分のために生きろと言われた男が、その余生を一人の少年のために生きる。その年の差を超えた絆に感動しました」(福)

「元ヤクザの主人公が少年に心を動かされて再び罪を犯してしまう……。こんなに演技派だったの?と思うほどの名演に胸を打たれました」(山東)

撮影はフィルムで

 二人の感想をうれしそうに聞いた舘は映画の裏話を披露した。

「実はこの映画、フィルムで撮影したんです。だから俺も監督も現場ではモニターを見てない。どんな画(え)になっているか分からないまま、気持ちで演じたんですよ」

山東「その現場の緊張感がひたひた伝わってきたわ」

福「僕はまだ経験はないけれど、フィルム映画は憧れです」

舘「福君が考えて芝居をするようになったのはいつぐらいから?」

福「中学生ごろです」

 ……という具合に、話し始めたら止まらない三人なのである。

次ページ:知られざる“縁”

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。