「今日も打てそうもない」と誰でも思う巨人はどうするべきか 2軍落ち戸郷は「外角低めだけ」に投げる練習をせよ【柴田勲のコラム】

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前半に3点を先取されたら逆転は難しい

 巨人が交流戦最後の週となった日本ハム、西武6連戦を3勝3敗としたが、貯金が再びなくなって4位に転落した。

 それにしても今年の交流戦、きれいに色分けされた。上位6球団はすべてパ・リーグで、当然のことながら7位以下はすべてセ・リーグだ。セは6球団貯金なし、これは15年ぶりだそうだ。

 巨人は17試合を6勝10敗1分で11位、それでもラッキーだった。首位の阪神とは4ゲーム差だが、仮に阪神が上位に食い込んでいたらゲーム差はもっと広がっていたのではないか。

 交流戦のオーダーを見ていると、今日も打てそうもないな、今日も勝てそうもないな、負けだな……こんな先入観にとらわれたね。

 とにかく打てない。前半に3点を先取されたら逆転は難しい。21日の西武第2戦、2点を追った7回に岡田悠希の2点二塁打で追いつき、代打・増田陸の3ランで勝つことができた。

 増田陸、よく打ったと思う。1イニング5点以上は3月29日のヤクルト戦(東京ドーム)以来とか。2対1で勝った20日の第1戦も小林誠司の中前へのポテンヒットが決勝打だった。

巨人の投手はなぜ打たれるのか

 そういえば19日の日本ハム戦では北山亘基の前にあわや完全試合もあった。いまの巨人、8回まで1~2点差くらいでリードしてライデル・マルティネスに最後を託す、こうでないと勝てない感じだ。

 明るい材料がない。投手陣が頑張っているのだが戸郷翔征がまたファーム落ちした。

 22日は5回を89球、被安打6で3失点、四球4だった。2回に2点、3回には1点を奪われたが、再三言うように巨人打線は3点以上を取り戻すのは難しい。

 ストライクとボールがハッキリしている。四隅が使えていない。投球の組み立てができない。ボール球が先行して苦しくなる。エイッとばかりに真ん中に甘い球を投げる。

 そりゃ打たれる。自信を失っている。何度でも指摘するけど大事なのは制球力だ。ファームでは球速をもっと速くする、フォークの切れをもっと鋭くする。ひょっとしてこう考えているのかな。

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