オリックス・広岡大志の「警告事件」で思い起こされる物議を醸した“守備妨害” 三塁コーチやファンが妨害判定を受けた“珍事”も
6月6日の阪神対オリックスで、オリックス・広岡大志が“危険性のある守備妨害”として警告を受けたことが大きな反響を呼んだ。そして、過去にも物議を醸した守備妨害が何度となくあった。【久保田龍雄/ライター】
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勝った後もモヤモヤの残った「守備妨害判定」
阪神対オリックスといえば、2007年6月8日の同一カードでも、飛球を打ち上げた打者が打席内で静止していたにもかかわらず、守備妨害をとられる珍事が起きている。
1点を追う阪神は8回、先頭の今岡誠が中前安打を放ち、同点の走者として出塁した。ここは当然送りバントの場面である。だが、次打者・鳥谷敬のバントは一塁方向への小飛球となった。
鳥谷は打席から1歩も動かなかったが、何とも間の悪いことに、打球を追おうとした捕手・日高剛の足が接触し、日高は転倒。捕球することができず、ファウルになった。直後、谷博球審は守備妨害をとり、鳥谷にアウトを宣告した。
無死一塁で試合再開と信じていた阪神・岡田彰布監督は、当然収まらない。「(鳥谷が)バッターボックス内なのに、ダメなのか」と16分にわたって抗議した。
だが、両者の話し合いは平行線を辿り、「何でわからんのや」と激高した岡田監督が両手で他に球審の体を突いたことから、現役時代も含めて初めての退場処分となった。
谷球審は「接触がなければ捕れたという判断でアウトを宣告した。バッターは悪くなかったが、不利益を被った守備側を救済した。あの場面では、鳥谷選手は避けるしかない。故意じゃないのは認めるけど、妨害に値するんです」と説明した。
その後、試合は、「監督があれだけ抗議してくれたので、絶対に落とせない試合だと思った」(鳥谷)と闘志を奮い立たせた阪神が0対1の9回裏に林威助の二塁打と2四球で無死満塁と猛反撃。藤本敦士の押し出し四球と鳥谷の押し出し死球で逆転サヨナラ勝ちした。
だが、日高のプレーについて、一部の阪神ファンが「捕球に間に合わないと判断したから、鳥谷と接触して守備妨害を狙ったのでは?」と疑問を呈するなど、勝利後もモヤモヤ感が残った。
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