「反抗的な態度で迷惑をかけてきたことを認め、降格と減給を受け入れろ!」 鶴岡八幡宮を“独裁”する宮司がついに訴えられていた

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「残るなら降格と減給を受け入れろ」

 そうした中、社に長らく勤めてきた神職の一人が今年1月、鶴岡八幡宮を相手取って訴訟を起こした。

「神職にある人たちにとって、勤務先が神社本庁から離脱するのは由々しき問題です」

 と言うのは、鶴岡八幡宮の関係者だ。

「神社本庁が管轄する約8万社すべてで通用する、神職としてのキャリアを示す資格が抹消されてしまうからです。件の神職が訴訟を起こした理由も、神社本庁からの離脱を巡るゴタゴタの中で、吉田宮司から理不尽な仕打ちを受けたことだったといいます。まずは昨年3月、離脱の意向を明かした吉田宮司に強く説明を求めたところ、にらまれるようになったそうです」

 吉田宮司は“わが社の神職は、鎌倉市内の別の神社に転籍した形を取るから資格は抹消されない”と言っていたが、昨春の時点では確実ではない単なる“案”だったという。そこで、不安に思った神職は、

「進退を保留した後の昨年5月、親族が勤める別の神社に転籍した形を取り、鶴岡八幡宮での仕事を続けることができないか吉田宮司に確認、同意を求めました。すると、彼は“自分の指定した神社への転籍しか認めない”と怒り出したそうです。その上で“辞めるか残るかを選べ。残るなら、反抗的な態度で迷惑をかけてきたことなどを認め、降格と減給の処分を受け入れろ”と無理難題を吹っかけてきたといいます」(同)

 この神職は事後、適応障害を発症し休職。7月にヒラの神職に降格となり、給与も減らされる。希望の転籍を認めてもらえなかったことで神職の資格は抹消され、目下、処分前の地位確認などを求めて係争中というわけだ。

 ついに提訴される異例の事態を招いた吉田宮司。出勤前に直接、見解を問うと、

「お答えすることは何もありません」

 その後、代理人から書面で以下の旨の回答が。

「裁判所の判断が下されるまで、マスメディアに主張することは差し控えるべきと考えております」

 訴訟を起こした神職に聞くと、

「詳しくはお話しできませんが、心を込めてお仕えしてきた八幡さまへの提訴は、やむを得ないものでした」

 神の御裁可ではなく、判断は司直の手に委ねられた。

週刊新潮 2025年6月19日号掲載

ワイド特集「メークドラマ」より

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