結婚すらカネ稼ぎのコンテンツに… ヒカルの「交際0日婚」に見る「視聴者側の責任」
YouTuberのヒカル(34)がインフルエンサーで実業家の進撃のノア(30)との「交際0日婚」を発表した。これに対して、SNSなどでは「本気の結婚ではなく、コンテンツでは」とのコメントも多く見られる。結婚のような人生の一大事ですら「エンタメ」として消費され得る時代に、視聴者に求められるものとは……。【冨士海ネコ/ライター】
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人気YouTuber・ヒカルさんが「交際0日婚」を発表した。お相手は、実業家でもあるインフルエンサー・進撃のノアさん。報告はもちろん自身のYouTube動画で行われ、SNSでも大きな話題を呼んだ。
だが、それ以上に注目を集めたのは、「この結婚、本気? それともコンテンツ?」という声の多さだった。それは結婚という人生の一大イベントさえもエンタメの目線で受け取る感覚が定着した証しであるのと同時に、結婚すらも金儲けの道具になっているという風潮に対する戸惑いの表れでもある。
かつて有名人の恋愛や結婚といえば、週刊誌に撮られた写真やワイドショーの中継、そして「関係者によると……」という曖昧な情報がすべてだった。しかし今は違う。本人のSNSで発表され、視聴者はコメントで直接リアクションを送ることができる。テレビタレントと視聴者のあいだにあった「壁」は、YouTubeやSNSの時代には、ほとんど消えてしまった。そしてそうした距離の近さが、「結婚ですらコンテンツになる」時代を生み出した。
YouTuberたちも、視聴者からどう見られるかを知っていて、あえて疑われる余地を演出しているようにも見える。つまり、結婚がリアルであるかどうか以上に、「話題になること」が重要なのではないだろうか。ヒカルさんとノアさんの結婚報告も、短期間で数百万再生を記録した。YouTuberにとって、私生活のすべては「ネタ」である。ケンカ、病気、浮気、出産に離婚。ヒカルさん夫婦も、離婚まで視野に入れたドキュメント企画なのではと疑う人は少なくない。もはや有名人のプライベートは、「どう見せるか」という編集と演出の題材と言っても過言ではないのではないか。
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