「進次郎に変なことはさせない」 農林族のドン・森山幹事長が周囲に語る理由 小泉農水相が喧伝する「5キロ2000円」の落とし穴とは
【全2回(前編/後編)の前編】
昨年の総選挙惨敗で選挙対策委員長を辞して以来、鳴りを潜めていた小泉進次郎氏(44)が“コメ担当相”として表舞台に復帰した。連日、メディアで備蓄米は「5キロ2000円」だと連呼。父親譲りのワンフレーズでアピールするが、専門家らは疑いの目を向けるのだ。
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大臣に就任して以来、小泉進次郎新農水相の姿がテレビに映らない日は一日たりともない。着任の2日後、5月23日にはNHKのニュースウオッチ9に冒頭から出演。父親同様の歯切れ良い口調で、
「政府の新たな随意契約による備蓄米は5キロで2000円。2000円台ではなく2000円、こういった価格で売り渡しをしていきたい」
と述べ、店頭に並べる備蓄米の価格を現在のコメ流通価格の半額程度に設定する方針を強調したのである。
当初、江藤氏を留任させる方針だったが……
前任の江藤拓農水相(64)は“コメは買ったことがない”との失言の責任を取って5月21日に辞任した。だが、官邸は当初、江藤氏を留任させる方針だった。
「森山裕幹事長(80)は同じ九州地方の出身で農林族の江藤氏を最後まで擁護する姿勢でした。石破茂首相(68)もその意向をむげにはできなかったのです」
とは政治部デスク。
「流れが変わったのは20日午後です。その日の午前中の参院農林水産委員会で、江藤氏が“宮崎弁的な言い方”と失言を重ねた。結果、国民民主党も強硬姿勢に転じて、5野党による江藤氏の不信任決議が現実味を帯びたのです。20日夕刻には辞任の流れが出来上がっていました」(同)
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