「高橋藍選手と西田有志選手が頼り」 バレーSVリーグがバスケBリーグに勝てない理由 「スター依存は今に始まったことではない」

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Bリーグは満遍なく集客

 昨秋からSVリーグと名を変えたバレーボールリーグが初年度のレギュラーシーズン観客総数を発表した。男子は旧Vリーグ1部と比べて1.75倍の約66万人。試合数が増えたとはいえ、1試合平均観客数も3021人で43%増である。

 上々の出だしに思えるのだが、バスケットボールのBリーグには遠く及ばない。

 昨シーズンの数字になるが、B1リーグの観客総数は約334万人。SV男子が10チーム各44試合戦うのに対し、B1は24チームが60試合こなすため、試合数は大きく異なる。とはいえ、1試合平均もB1リーグは4600人を超える。

 チーム別データを見ると、さらに大きな違いがある。

 SVは1位サントリーから3位大阪までの上位3チームで全体の46%を占めるが、Bは1位琉球が7746人と突出しつつも、3位から21位までが5300~4100人に収まり、満遍なく集客できているのだ。

「二大スター選手の人気が頼り」

「SVリーグは、二大スター選手の人気が頼りです」

 と、スポーツライターが語る。二大スターとは、サントリー・高橋藍(23)と大阪・西田有志(25)。共に大阪を本拠とし、一極集中を招いている。

 斯界のスター依存は今に始まったことではない。

「バレー出身タレントの草分けである川合俊一や、1990年代をけん引した中垣内祐一ら、競技の性質上、長身の色白イケメンが入れ代わり立ち代わり登場しますから。それはそれで結構ですが、彼らの人気にあぐらをかいて改革を怠ってきたのはいただけません」

 バスケ界も、一時は実業団とプロリーグが併存するなど迷走したが、

「Bリーグ設立後は、Jリーグばりに地方に根差した経営方針を徹底。各チームに一定数以上を収容可能な会場を確保させるなど苦労を重ねてきました」

 W杯会場にもなった「沖縄サントリーアリーナ」や、昨年完成した千葉の本拠「ららアリーナ東京ベイ」、7月にオープンする名古屋の「IGアリーナ」などがそれにあたる。

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