巨人の打順、パワーが段違いの「リチャード」は気楽な7、8番がいい 「浅野翔吾」はまた悪い時に戻りつつある【柴田勲のコラム】
もっと打たなきゃいけない
〈13日から広島、中日の6連戦、ここで大きく負け越すとズルズルいく可能性がある。〉
【写真】抜群の笑顔も評判の「リチャード」 父に抱かれた幼少期の写真が可愛すぎる
前回の今コラムをこう締めた。2勝4敗……ズルズルとまでは言わないが、「ズル」という感じがする。
広島に3タテを食らって中日に2連勝して迎えた18日の第3戦、5回に代打の砂川リチャードが逆転の3ランを放った。2点差となって、これで3連勝かと思ったら7回にマウンドに上がった船迫大雅が山本泰寛にソロ弾、代打の板山祐太郎に逆転の2ランを浴び、8回には中川皓太がジェイソン・ボスラーに2ランを喫した。
ともに四球や失策が絡んでいた。阿部慎之助監督は「私の継投ミスでございます」と話していたが、中継ぎ陣だって毎試合、毎試合抑えられるワケじゃない。これは仕方がない。それよりもっともっと打たなきゃいけない。第1戦、吉川尚輝の逆転の一発がなかったらと思うとぞっとする。
この一発で連敗を4で食い止めて、翌日には中山礼都のタイムリーでなんとか勝った。71イニングぶりのタイムリーだった。ポツンと出る本塁打や相手方の失策、押し出しで得点してきた。
リチャードはツボにはまれば飛ぶ
18日の敗戦で4位に転落した。でもこれで21勝20敗1分だ。前回も記したがよくやっている。
一時は逆転となる本塁打を放ったリチャードだが、確かに振りが鋭いしパワーもある。巨人移籍2本目の本塁打は中堅右へたたき込んだ。長距離砲としての魅力をまざまざと見せつけた。
プロ8年目の25歳、ソフトバンク時代は2軍で5年連続本塁打王だった。でも1軍に定着できなかった(※)。なぜか、三つの要因があると思う。変化球、内角高めの速球にちょっと弱い。ボール球を振る。それでもツボにはまれば飛ぶ。他の選手と比べてパワーが格段に違う。
いまは変化球全盛時代だ。投手は多彩な球種を操る。つい追いかけてしまう。1ストライク、2ストライク目までは真ん中周辺に甘い球が来ると思って見逃さずに狙う。難しい球には手を出さない。どんな球を打ったかをしっかりと覚えておく。
巨人がいずれは活躍できると見込んで、ソフトバンクに持ちかけて獲得した素材だ。いまはプレッシャーがかからない打順でいい。
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