「専従職員は“職業革命家だから”月90時間残業しても残業代ゼロ」日本共産党 の“違法残業”を暴いて除籍された30歳&26歳の元女性党員が実名告発

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「共産党には民主主義がないし、労働者階級の味方でもない。決議を信じるだけで救われようとする宗教のような組織です」。こう憤るのは昨年、日本共産党から除籍処分を受けた30歳と26歳の若き元女性党員2人である。(前後編の後編)

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前編【「幹部のパワハラを訴えたら調査もしてくれず反乱分子にされた」日本共産党から除籍された30歳&26歳元女性党員が実名告発】からの続き。

決起した8人の民青活動家

 昨年まで福岡で、共産党の下部組織である日本民主青年同盟の県委員として活動に従事していた砂川絢音さん(30)と羽田野美優さん(26)。2人は県委員長A氏の「パワハラ言動」や専従職員の違法残業問題を中央に直訴しても取り上げてもらえなかったことに業を煮やし、実力行使に打って出る決意を固めた。
 
「辞めればいいと思われるかもしれませんが、私は民青福岡県委員会の常任委員として何人もの若者たちを勧誘してきた責任を感じていました。仲間のためにも、この問題をなかったことにしてはならないと思ったのです。当事者ではなかったけれども、羽田野さんのように『党のやり方が明らかにおかしい』と応援してくれる仲間も増え始めました」(砂川さん)

 最終的に集まった民青の仲間は8人。みな共産主義に共鳴する20代の若き活動家だ。抗議メンバーは、2024年1月に開かれた民青福岡の委員を決める選挙でAさんの信任に「反対票」を投じ、落選させようと考えた。

「投票権を持つ人は約15人いました。欠席者を考えても県委員長を落選させるにはあと3人ほど賛同者が欲しかった。そこで、選挙が始まる前の会議の場でAさんのパワハラ問題を問うチラシを出席者全員に配布し、賛同者を増やそうと考えたのです」(砂川さん)

切り崩しにあった抗議メンバー

 この公然の“反旗”にA氏をはじめとする上層部は驚き、会議を中断させた。

「一般の民青同盟員を残して県委員は全員別室へ移動させられ、一人ひとり呼び出されて抗議への関与を聴取されました。民青だけでは手に負えないということで共産党の職員も出てきた。私たちはハラスメント問題について話し合いの場を持ってくれるならば、矛を納めて落選運動をやめるつもりでしたが、彼らは最後まで私たちの要望に聞く耳を持ってくれませんでした。Aさんは『抗議メンバーの行動は分派に当たる。民主主義を破壊する行為』と憤り、結局、その日は流会。選挙も開かれませんでした」(砂川さん)

 そして2カ月後の3月末、民青福岡は、砂川さんや羽田野さんを含めた抗議メンバー8人のうち5人に同盟員としての権利停止を言い渡したのである。

「この間、上層部は抗議メンバーの切り崩しも図り、何人か離脱する羽目に。そして、6月には私たちが不在の中、延期していた県委員会選挙を強行。Aさんが委員長に再任されました」(砂川さん)

 かくして決起は鎮圧されたのだが、砂川さんたちは諦めずに次の手に討って出た。昨年9月、組織内で横行していた専従職員の違法残業について、福岡中央労働基準監督署に告発したのである。

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