尾上菊五郎劇団「音楽部」で報酬の搾取、パワハラ 法人化に向けて動くも「松竹が話し合いをドタキャン」 

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本人を直撃すると……

 片や巳太郎ご本人を直撃したところ、

「いや、僕、それはもう弁護士さんに全部任せてあるんで。お話しすることは難しい。ちょっと本社の方に連絡してよろしいですか」

 と言って、松竹の製作幹部へ携帯をかけて相談を始めたのだった。

 電話を終えた巳太郎は、

「僕も、例の部会で皆の前でズタズタにされて、適応障害みたいになっちゃったんで。とにかく弁護士さんを通してください。容疑も何もないですよ。ちょっとお稽古なんで。ほんと申し訳ない。またお願いしまーす」

松竹は「弊社から説明すべきことではない」

 松竹にも質したところ、以下の回答が寄せられた。

「菊五郎劇団音楽部が今般、法人化されたことは弊社としても承知しております。本件に関する経緯については弊社から説明すべきことではないと考えますので、回答は控えさせていただきますが、弊社としては同音楽部の法人化に対しては特定の立場に依るものではなく、ご指摘のように、難色を示した、あるいは反対の意向を示した、といった事実はございません」

「知らざあ言って聞かせやしょう」とは、菊五郎のお家芸である弁天小僧の名セリフ。歌舞伎界に尽くしてきた人々の叫びを、松竹はどう聞くのだろうか。

 前編【「契約書は存在せず、金額交渉すらできない」 尾上菊五郎劇団「音楽部」で報酬の搾取、パワハラが 「異を唱えた相手に“仕事を回さない”と」】では、音楽部での部員へのパワハラ、ブラックな労働環境について伝えている。

週刊新潮 2025年5月15日号掲載

特集「ちゃんとギャラ払え! 『八代目 尾上菊五郎』襲名披露舞台の陰で内紛勃発」より

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