今年のGWは旅行に行く? 円安、激混み、物価高… 「行かない」が8割のリアル

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GWでなくとも旅行は行けない?

 2025年のGWは、土日と祝日がうまく繋がらず、連休としてはやや使いづらい日程になっている。とはいえ来年以降の日本の旅行動向についても決して明るい見通しではない。

「今の自身の生活とGWの旅行について当てはまる状況を聞いたところ、家計の厳しい状況がうかがえます。その影響もあってか、節約志向が明確に示される結果となりました」(JTB)

 具体的には、1万人を対象にしたアンケートで「仕事や会社の業績が良化し収入が増えそうだ」という人は0・3ポイント減の7・2%、逆に「減りそうだ」という人は0・9ポイント増の14・5%に。「家計に余裕がある」は0・9ポイント減の4・1%、「余裕がない」は1・1ポイント増の25・7%。「趣味や旅行などにかける費用を減らしている」人は1・5ポイント増の18・1%で、「減らしていない」人(0・4ポイント減の6・7%)を大きく上回る。先行きが見通しづらい中で「大きな支出は控えておきたい」とする人が1・3ポイント増の18・1%となるなど、旅行をする余裕が削がれている現状が浮き彫りになっている。

逆資産効果も…

「インバウンドで価格がつりあがっているからなあ」
「円安になって、インバウンドはじゃぶじゃぶ金を出すから」
「GW期間中は貧乏旅行もおいそれとできやしない」
「人ごみに出掛けたくないし、物価は高いし」
「何よりホテルが高すぎる。インバウンドの影響に引くわ!」

 こうした声がネットやSNS上では散見される。インバウンドによる一定の効果はあるにせよ、普段でさえ混みあっている観光地へ、連休中に出掛けるのを避けるのは無理からぬ行動かもしれない。

 経済アナリストの森永康平さんは、これらのJTBの調査結果について、

「やはり物価高騰によって家計がダメージを負う中で、(巷間言われる)インバウンドによるホテル価格の上昇が原因の1つだと考えます」

 と指摘。さらに、

「3月下旬から株式市場が下がったこともあり、逆資産効果が働いた可能性もあったのかと考えています」

 SNSなどで見られる叫びは、これからの日本でさらに広がっていくことになるかもしれない。

デイリー新潮編集部

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