22周年を迎えたオタク界の“夜の聖地”「マジカル☆ナイト」 異色のコスプレキャバクラ店長が“採用面接で女の子に必ず質問すること”とは
オタク界でも老舗のコスプレキャバクラ
東京駅からJRで一駅、駅前にビジネス街や飲食店街が広がる神田駅前に、20年以上続く異色のキャバクラ「マジカル☆ナイト」がある。店名だけを見ると、よくある普通のキャバクラなのだが、店内に入ると女の子たちが身にまとった衣装に驚かされる。全員、アニメやゲームのキャラの“コスプレ”をしているのだ。
【写真】キャバクラ「マジカル☆ナイト」の女の子達が纏う“2000年代のオタク”が泣いて喜ぶコスプレ姿
そう、「マジカル☆ナイト」はいわゆるコスプレキャバクラなのである。と言っても、女の子がコスプレをしているだけのキャバクラなら全国に存在するし、決して珍しいものではない。「マジカル☆ナイト」が他のキャバクラと一線を画しているのは、女の子が何らかの漫画、アニメ、ゲームの“オタク”である点だ。
「マジカル☆ナイト」がオープンしたのは2003年のこと。2000年代といえば、オタク文化に大きな変革がもたらされた時代であった。「電車男」がヒットして秋葉原ブームが起こり、メイドカフェやメイド居酒屋、メイド美容室まで様々なタイプの店が誕生した。メイドカフェブームは政令指定都市を中心に、日本全国に広がりを見せた。
こうしたオタクをターゲットにした飲食店は、一部を残してその多くが閉店してしまっている。そんななか、「マジカル☆ナイト」はオタク系の飲食店のなかでも有数の老舗となり、しかも、キャバクラ激戦区である神田において、開店から20年以上の歴史を誇っているのだ。
女の子はどう採用しているのか
今回、代表の宮田和也さんに話を聞いた。「マジカル☆ナイト」の一貫したこだわりは、面接で女の子に「現在見ていたり、昔ハマっていた漫画、アニメ、ゲームはありますか?」と聞いていることだという。これは開業当時から守り続けている、「マジカル☆ナイト」の理念であると宮田さんは話す。
「お客様は女の子と気兼ねなくオタクトークが楽しめるし、何より、当店に在籍する女の子の経歴も多種多様なのです。コスプレ系のイベントやコミックマーケットでコスプレを行ったり、同人誌を制作したりしている女の子も少なくありません。さらに、10年以上勤務する女の子が何人もいます。なので、2000年代のアニメやゲームの話でも盛り上がれることが多いのです。
当店はこういった個性的なお店なので、お客様には常連さんがとても多い。当店の黎明期から通うバリバリのアニメファンが少なくありませんし、業界関係者の来店もありますね。他のキャバクラでは女の子と会話ができなかったとか、楽しめなかったというオタクのみなさんにご愛顧いただいています」
こんなエピソードもある。「女の子と会話ができない」と嘆いていたオタクの男性が「マジカル☆ナイト」を訪れたところ、アニメの話で盛り上がり、コミュ障が治って女の子と普通に話ができるようになったというのだ。こうしたケースは実際にいくつも存在するという。
また、女の子も最初から「マジカル☆ナイト」を狙って面接に訪れる人が少なくないそうだ。20年以上、唯一無二の個性を打ち出し続けていることが、「マジカル☆ナイト」のクオリティが様々な面で維持されている要因といえよう。
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