勝新太郎と中村玉緒のデートに呼ばれたことも… 喜劇役者・芦屋小雁さんが世間を騒がせた“結婚遍歴” 「28歳年下女優と再婚して、中年の星とうらやましがられた」

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28歳年下女優と再婚

 小雁さんは芸以外でも時の人となっている。60年に結婚したが別れ、87年、28歳年下の女優、斉藤とも子さんと再婚。中年の星とうらやましがられたものの8年で別離。年の差があり過ぎたか、とワイドショーで騒がれ、押し寄せた取材陣に対し「マニアックな趣味がありまして」と切り出した。

 映画好きがこうじて、特にSFやホラー映画を収集し、構成や映像技術を研究していた。夜中の2時ごろから映画を観賞。「2本見ましたら、もう朝の6時ですねん」。生活時間が妻子とすれ違いだったと告白した。

「家には映画館のような部屋があった時期もある。凝り性でした」(相羽さん)

「重鎮なのに威張らなかった」

 さらに96年、62歳にして30歳年下の女優、勇家寛子さんと再々婚。本誌(「週刊新潮」)の結婚欄で〈好きな人ができたらどうしてもその人と結婚したい。話の合う人が若い人やっただけです。僕はただただ正直なんです〉と語る。

「小雁さんは素直で優しい。誰にでも腰が低く、相手の話をよく聞く。子供っぽいので、守ってあげたくなるのでしょう」(相羽さん)

 2004年、雁之助さんが他界。「裸の大将」の舞台を継ぐよう請われた。固辞したが自分流でいいのならと引き受け、好評を博す。

 18年には『笑劇の人生』(新潮新書)を上梓している。

「上方芸能の重鎮なのに威張らず、自慢話もしなかった」(相羽さん)

 同年、認知症だと公表。妻の寛子さんの支えの下、テレビ出演や講演を続けた。コロナが流行するまで、最初の妻の息子夫妻、再婚相手とその子供二人、そして現在の妻とともに総勢7人で仲良く食事を共にしていた。小雁さんは仕方がない人ね、と陽気に話が弾んだという。もはや人徳だ。

 昨年も講演を続けたが、3月28日、91歳で逝去。

 お別れに2歳年上の大村崑さんも駆け付けた。女性ばかりか仲間にも恵まれた。

週刊新潮 2025年4月17日号掲載

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