「そこまで言って大丈夫なの?」と担当編集もヒヤヒヤ…「堂本光一」が気概あふれる雑誌コラムで「タイプロ」と「ジュニア」について語る理由

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ここ数年は「ジュニア」について語る機会も増えた

 コラムは現在も連載中。書籍には未収録だが、2025年4月号「timeleszの現在に“青春”を見た」では、自身も練習風景を見学した「timelesz project」(以後、タイプロ)について見解を述べている。「ハマる人が増えている一方で、ネットではよく炎上もしている」という編集部の投げかけに対しての第一声が次の一文だ。

〈個人的には視聴者が荒れる意味が分からない(笑)。多分そういうことで怒っちゃう人は、このプロジェクトの趣旨を分かっていない人だろうし、芸能を分かっていない人なんだろうと思います(以下略)〉

 とバッサリ。気持ちが良いくらい痛快だろう。個人のSNSでつぶやけば、即座に賛否のツリーができあがりそうなものだが、誌面であれば“読み物”としてワンクッションが生まれる。さらには、舞台を軽んじているのではないかなどなど、現STARTO ENTERTAINMENTに対しても釘を刺す姿は、「光一パイセン、かっけぇ」と唸ること必至である。

「ジュニアに対する接し方なども変わったと思います。かつては、『ジュニアのことを聞かれても分かんないよ』と話していたのですが、ここ数年は愛情を持ってジュニアの子について語る機会が増えた。事務所がいろいろあったことで考え方に変化が生まれてきた気がします」

 座長として指揮を振るった「SHOCK」シリーズは、上演回数2128回という世界的にも類を見ない記録を達成。2005年以降は、主演の堂本自身が脚本・演出・音楽(※音楽は一部の曲のみ作曲)を担当した。年齢と体力的な負担、さらには帝国劇場が建て替えに伴う休館ということもあり、同シリーズは幕を下ろした。だが、熟成された上等なお酒のように、その哲学は芳醇かつ健在だ。タイプロを見て、STARTO ENTERTAINMENTに興味を覚えたという人にこそ、『エンタテイナーの条件』を読んでほしい。

 なぜなら、タイプロは、(ジャニーズの)アイドルとはいかなる存在なのか、エンタテイナーとはいかなる存在なのかをオーディションを通じて、分かりやすく視聴者に伝えてきたコンテンツでもあるからだ。堂本光一が紡ぐ『エンタテイナーの条件』は、その復習と応用を学べる最高の教材なのだ。

我妻 弘崇(あづま ひろたか)
フリーライター。1980年生まれ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始。約2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターに。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

デイリー新潮編集部

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