フジ「サン!シャイン」の視聴率が危険水域に突入…改編1週間で見えた“低迷の理由”とは
「めざまし8」より劣る視聴率
「山田氏のグラフィックファシリテーションはオリジナリティがあり、他の番組と差別化できる企画だと思いました。しかし、2日目に『フジテレビに言いたいことは?』で意見を募ると《ポップなイラストと字体がテーマに合っていない》《ふざけている》などと逆に視聴者から批判されました。凄惨な事件に対しても同様です。せっかくのポップアートが悪目立ちした格好です」
かくして「サン!シャイン」の初週の世帯視聴率はというと――
「初日が4・0%、2日目が3・6%、3日目が3・5%、4日目が3・9%、5日目が3・0%と、初日以外は3%台でした。しかも5日目は3%を切る勢いで、早くも危険水域です。前番組『めざまし8』の最終週と比べても、上回った曜日はありません(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)」
改編しないほうが良かったということか。
「そういうことになりますね。コメンテーターも『めざまし8』に出演していた社会学者の古市憲寿さん(40)をなぜ切ったのか。確かに彼は中居正広氏の性暴力問題と、それに絡んだフジの対応について批判的でしたが、だからこそ残すべきでした。挙げ句、裏番組である日本テレビの『DayDay.』(9:00~11:10ほか)に移籍して、開口一番、『フジテレビを追い出されたんで』と笑いをとっていましたからね。彼に代わって初回のコメンテーターを務めていたのが、コラムニストの肉乃小路ニクヨ氏(50)と元国会議員の佐藤ゆかり氏(63)でしたからね。コメンテーターというのは、傾聴に値する意見を持ちつつも論争やバトルをエンターテインメントとして割り切る“電波芸者”じゃないと務まりません。それを考えると人選ミスとしか思えません」
試合放棄の副音声
「サン!シャイン」に新たに導入されたのが副音声だ。
「説明のテロップには《副音声ではよりニュースに集中したい方へ一部BGMを絞ってお届けしています》とありますが、忙しい朝にそんな面倒なことを試そうとは思いませんし、BGMを流すかどうかはテーマに応じて演出家が決めればいいこと。スタッフが邪魔と感じるくらいのBGMなら最初から流さなければいい。スタッフの怠慢と言うよりも試合放棄に等しい」
スペシャルキャスターの一人である武田鉄矢は「サン!八(パチ)先生カンペ講座」というコーナーを受け持っている。初回は1959年4月10日、現在の上皇陛下ご夫妻の御成婚パレードの日を涙ながらに語った。
「昔のニュースを掘り起こして武田さんが10分以上にわたって語るコーナーですが、これも朝向けと言えるのかどうか。時間に余裕がある深夜番組でやったほうがいいかもしれません。杉村太蔵氏(45)が出演する木曜には『地元を騒がせたあのニュースは今』というコーナーがありますが、これもいくつかのニュース映像を集めて夜に特番でやったほうが良さそうな内容で、最新のニュースを求めている視聴者はテレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』(8:00~9:55)か『DayDay.』にチャンネルを変えてしまうでしょう。スタッフはまず、視聴者の立場で番組作りをすべきです」
フジテレビ局員は今、それどころではないのかもしれないけれど。
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