受験シーズンに過去最悪レベルの「インフルエンザ」が猛威…今後は「受験生に流行」の可能性大も、医師が「治療薬がなくとも絶望的な状況ではありません」と説く理由

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 インフルエンザが受験シーズンを直撃している。小学6年生から大学浪人生までの受験生がいる家庭では本人はもちろん、家族も不安に違いない。“入試カレンダー”を見てみると、1月上旬から埼玉県で私立中学校の入試が始まり、18日と19日には大学入学共通テスト。首都圏では2月1日に私立中入試のピークを迎える。

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 2月は私立大学の入試が本格化する時期でもある。21日には都立高の第1次募集と分割前期募集の学力検査が行われ、25日以降は国立大学の前期日程が実施──という流れだ。ではインフルの流行はどうなっているのだろうか。担当記者が言う。

「厚生労働省は毎週、インフルに関して『1医療機関あたりの患者数』を発表しています。全国平均を見てみると、1人を下回っていたのは昨年の『10月21~27日』の週が最後で、『12月2日~8日』の週で9・03人と急増。そして『12月23~29日』の週で64・39人と凄まじい人数に達しました。現在の方法で統計を取り始めたのは1999年ですが、64・39人は史上最多であり、警報の基準となる30人の倍という、まさに桁外れの感染拡大を示したのです」

 1月16日現在、最新のデータは「1月6~12日」で、35・02人となっている。年末に比べると半減したとはいえ、この数字は実態を表していない可能性があるという。

「年末年始は、ほとんどの医療機関が休んでいます。1月6日からの週ですと、まだ年始の気分が残っていたはずです。インフルに罹患した人でも病院には行かず、自宅で寝ていたケースも多かったでしょう。さらに問題なのは、インフルの治療薬やワクチンが不足していると報じられていることです。1月14日にテレビ朝日のワイドショー『羽鳥慎一モーニングショー』はインフルの爆発的流行と、治療薬やワクチンが不足していることを特集しました。ちなみに特集は翌15日にテレ朝newsが『インフル爆発的流行 治療薬なぜ品薄?出荷調整&増産できない医薬品業界の「事情」』のタイトルで記事を配信したほか、TVerで動画が配信されています」(同・記者)

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