山田洋次監督ばかりが選ばれる… 日本アカデミー賞の“忖度”説について本人に聞くと

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「巨匠をねぎらう場に」

 日本アカデミー賞協会の会員にはKADOKAWA、松竹、東映、東宝の社員が多く、授賞に関する決定権をこれらの会社が握っているといわれてきた。

「ひと昔前ほど露骨ではありませんが、いまだに大手映画会社の持ち回りで賞が決まっている印象があります。その上で過去の実績がリスペクトされ過ぎており、巨匠をねぎらう場の様相を呈しているといえます」(同)

 コラムニストの今井舞氏によれば、

「あまりに形骸化しており、もはや真面目に批判する人を目にすることがありません。私にとって日本アカデミー賞は、今年も山田監督は元気でいらっしゃるんだな、ということを確認するためのイベントです」

本人に聞いてみると…

 では、当の山田監督を電話で直撃してみた。まずは、これまで何度も日本アカデミー賞を取ってきたことについて尋ねると、

「まあ、長生きしているからね」

 と、満更でもない返事だったが、忖度が蔓延(はびこ)っているのではないか、との批判について振ると、

「なに、僕にそんなことを聞きたいの?」

 その後、審査の方法や同賞のあるべき姿について質問を投げかけたが、

「答えようがありません」

「分かりません」

 との回答だった。もちろん山田監督の数々の功績は素晴らしいが、巨匠であればこそ批判の声にも耳を傾けてほしいと願ってしまうのだ。

週刊新潮 2024年3月14日号掲載

ワイド特集「本音」より

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