粉飾「282億円倒産」ベアリング商社「堀正工業」社長の「愛人8人」お手当と「柿沢未途」接待

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父の経験

 総額282億円もの負債を抱えて倒産した老舗ベアリング商社「堀正工業」。ベアリング製造・販売会社の大手「NTN」の代理店として、長らく堅調な売上げを維持し続けてきたが、昨年7月24日に東京地裁から破産手続開始決定を受けた倒産劇は、過去に例を見ないほどあこぎな粉飾にまみれていた。

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 その破産手続開始申立書によると、堀雅晴社長(68)が粉飾に手を染めたのは、先代社長だった父の経験がもとになっている。かつて一時的に業績が悪化した際、先代が取引金融機関に追加融資を申し入れると、利益が出ていないとの理由で冷たくあしらわれた。その経験から、20年ほど前に堀社長が継ぐと、売上高の水増しが常態化したという。

〈実質的に債務超過であるにもかかわらず、当期利益が出るように、売上高の金額を上げ、(略)粉飾した決算書を税務署に提出するとともに、各取引金融機関に対しては、税務署に提出した決算書を更に取引金融機関ごとに数字に修正を加えたものを提出していた〉

 例えば、2022年9月期の決算では表向き、売上高68億600万円、当期純利益4億7700万円と公表。しかし、本当のところは45億1600万円の売上高に過ぎず、しかも、3億4200万円の赤字だった。

 と同時に、借入金は本来347億円に及んでいたにもかかわらず、税務署に提出した決算書には247億円という数字が書き込まれた。なおかつ、取引金融機関には借入金の額をわずか45億円台に装い、300億円も誤魔化した。こうした手口で、50以上もの金融機関を騙していたのである。

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