「日本人がわれわれに合わせるべき」埼玉県の「クルド人問題」当事者らに話を聞くと衝撃の答えが…市議は「多文化共生は不可能」

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 人口減少・少子高齢化に伴い、「移民」政策の必要が叫ばれて久しいニッポン。しかしこの島国で、「多文化共生」は実現できるものなのだろうか。ノンフィクション作家の西牟田靖氏が、近年クルド人が急増している埼玉県川口市周辺を取材。前編では地元住民が直面する“被害”について紹介したが、後編ではクルド人側の言い分、そして川口市議の「多文化共生は不可能」との意見を紹介する。【前後編の後編】

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 では、ここで当のクルド人にも話を聞いてみよう。

 東京外国語大学でクルド語を教え、在日クルド人のスポークスマン的存在でもあるワッカス・チョーラクさんに、同胞たちの迷惑行為・犯罪行為について、見解を聞いた。

「例えば暴走運転。ナンバーや名前を確認したらやっている人にはトルコ人も多かった。クルド人の犯罪もあるしトルコ人の犯罪がクルド人の仕業と思われてしまうこともある。両方とも検挙してほしい」

――病院事件(昨年7月に医療施設の前で約100人が集まる暴動が起こり、救急の受け入れが5時間半ストップした)の犯人には?

「注意しました。病院に迷惑をかけたのは事実で許せない。痴情のもつれは個人間のことですが、その後の事件は日本社会で許されない、外国人であっても当然してはいけないこと」

――暴走行為は?

「クルド人の中のバカな人のバカな行い。注意するけど無視される。もう警察に介入してもらうしかない。若い人との世代間ギャップもあまりに大きく声が届かない」

――店の騒音などに苦しんでいる住民もいます。

「最初から警察に通報するんじゃなくて、まず店に伝えてもらえるとうれしい。実際それで気付かなかったところを改善して和解できたケースもありますよ。店を続けていきたいクルド人にとって指摘はありがたい」

 としてこう続けた。

「日本で育ち日本社会と日本語でやり取りができるクルド人たちが多くなってくると、疎外感から道を外れようとする子を引き戻せると思います。大人が取りこぼしてしまったところを同世代で。将来はもっといい方向に進めると信じたい」

「なぜ私たちは差別される?」

 次に聞いたのは同市でトルコ料理店を経営している男性である。

「電柱が折れた事故? あれは単なる事故。なぜクルド人の事故だけ大げさに言うのか? 日本人の数が多い分、日本人の事件の方が多いでしょ? 日本に外国人を受け入れればいい。今後、どんどん外国人が入ってくることを日本人は受け入れなければならない」

 同じく同市で解体業に従事している男性は言う。

「私は解体屋の仕事を頑張ってきた。毎日朝5時から働いて、今は私の会社で日本人を使っている。なぜ私たちは差別される? 日本人こそ私たちのやり方に合わせるべきだ」

 かくも断層は深い。

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