ANA機の乗客が「CAに噛みついて」逮捕…いまこそ考えたい客室乗務員に“男性”を増やすべき理由

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安心・安全と秩序を守るために

 当然、何らかのトラブルがあった時、この職種に就いている従業員が先頭に立って狼藉者に対峙する必要があるため「危険手当」も支給する必要はあるだろう。さらには格闘家やプロアスリートのセカンドキャリアとしても人気の職業にしてしまう。そのためにはプロ野球やJリーグ、さらには大相撲のセカンドキャリア支援関連団体とも連携し、採用への応募を促すといったことも必要かもしれない。

 何しろCAという職業は昭和の時代は尻を触られたりもするようなこともあったし、1980年代には「空のホステス」的な言われ方をされていた。男性乗客の娯楽・性的欲望を叶えるような存在、といった見られ方すらあったのだ。

 しかし、「スチュワーデス」や「スッチー」という呼び方すら蔑称・人権無視的に解釈されCAとなったのだが、女性だからということで被害に遭う人もいるだろう。だからこそ、このような別の採用枠を設けてはいかがであろうか。当然この枠で採用された人は通常業務に取り組むほか、いざという時にその卓越した身体能力を使い機内の安心・安全と秩序を守るために仕事をするのだ。そんな時代に今はなっているのではなかろうか。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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