巨人、阪神、DeNAをクビになった選手は“再生”できるのか…「中島宏之」は古巣西武に復帰もあり?

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阪神では新人王「高山俊」をはじめ有名選手が次々と

 今年のプロ野球もポストシーズンを残すのみとなり、徐々に来季に向けての話題も多くなる時期となった。ファンが気になるのは、戦力外通告を受けた選手たちの動向だろう。今年は、一次通告期間である10月13日までに100人の自由契約が発表されている。このなかには、実績があるベテランや若手も少なくなく、環境が変われば、活躍が期待できる選手もいる。今回は、セ・リーグの球団を戦力外となったものの、他球団で“再生”ができる可能性を秘めた選手をクローズアップしてみたい。【西尾典文/野球ライター】

 18年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした阪神は、ウエスタン・リーグで最多セーブのタイトルを獲得した小林慶をはじめ、2016年の新人王で外野手の高山俊や、同年にシーズン105安打を放った内野手の北條史也らと来季の契約を結ばないことを発表した。

 戦力外通告を受けた選手のなかには、2020年オフに巨人から金銭トレードで移籍した内野手の山本泰寛もいる。慶応高から慶応大を経て、2015年のドラフト5位で巨人に入団。阪神移籍後、昨年はキャリアハイとなる45安打を放ったものの、今年は一軍出場がなかった。今年10月に30歳となった山本は「体はまだまだ全然やれるので、現役続行を希望します」と話しているが、他球団の編成担当者はどう見ているのか。

「山本は、派手さはなく、それほど器用なタイプでもありませんが、攻守ともにしぶとさがあります。(出身校の)慶応らしくない泥臭いプレースタイルがいいですよね。内野ならどこでも守ることができますし、バントや進塁打など小技もできる。足も決して遅くない。ユーティリティプレイヤーの典型のような選手です。阪神では、木浪聖也が(ショートのレギュラーで)復活し、(内野手の)渡辺諒が日本ハムから移籍してきたため、山本の出番がなくなっただけで、力が落ちているわけではありません。(今年の)ドラフト会議で狙っていた内野手を指名できなかった球団は、山本の獲得に乗り出す可能性も高いと思います」

41歳「中島」の“最後の舞台”は

 一方、巨人を自由契約となった41歳の中島宏之は、再びユニフォームを着る機会が残されているかしれない。中島は2000年のドラフト5位で西武に入団し、主力選出へと成長した。2012年オフに海外FA権を行使して米国に渡るも、2年間、メジャーリーグへの昇格を果たせなかった。帰国後、オリックスを経て、2018年オフに巨人へ移籍した。

 ここまで積み上げた安打数は1928本。今年は、春季キャンプ中に行われた紅白戦で右手を負傷して出遅れたものの、スタンメン出場した7月17日のヤクルト戦で3安打猛打賞を記録し、力のあるところを見せた。

 年齢を考えると、獲得に名乗りをあげる球団が出てくるかは微妙だが、今シーズンのプレーを見る限り、代打の切り札やファースト、指名打者のバックアップ要員としては戦力となりうる。

「中島のように実績があって、複数の球団を渡り歩いているような選手は球界にも顔が広い。本人が現役続行を強く望んでいるのであれば、“最後の舞台”を整えてあげたいと考える人も出てくるはずです。結果が全ての世界とはいえ、最後に判断するのは人間ですからね。シーズン後半のプレーを見ても、打撃にはまだ力がありますから、どこかの球団がオファーを出す可能性は十分にあると思います」(前出の編成担当者)

 球団史上初の2年連続最下位に沈んだ中日や古巣である西武は、今シーズンの代打の成績が芳しくなかった。代打陣の強化するために、勝負強い中島を補強することは一つの手段だろう。特に、西武は、不祥事で公式戦出場停止処分中である山川穂高の去就が微妙な状況で、中島の獲得に動いてもおかしくはないとみている。

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