侍ジャパン 井端弘和監督の任期は2年説で早くも囁かれる再就職先

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立浪後の中日監督?

 新星・井端ジャパンが動き始めた。12日にはコーチ陣が発表され、中日時代の盟友、吉見一起氏(39)が投手コーチに就任することなどが明らかになった。

 井端弘和代表監督(48)は古巣・中日の秋季キャンプも視察した。中日時代の先輩でもある立浪和義監督(54)は、ノックバットを片手に選手たちに厳しい目を向けていたが、井端監督を見ると思わず口元を緩め、しばし談笑。その後、立浪監督の手招きで一塁側ベンチへ。長椅子に向かい合って座り、両監督の会談が続いた。

「ベンチに座ってからは、記者団は取材NGとなりました。両監督とも真剣な表情で、30分くらい話し込んでいました」(名古屋在住記者)

 井端監督は会談後、立浪監督に「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(11月16日~19日/東京ドーム)に選出したい中日選手の名前を伝えたことを明かした。

 立浪監督も、日本代表の打撃コーチを務めた経歴がある。一発勝負となる国際試合の難しさ、12球団から預かった選手の体調管理、プライドへの配慮など、経験に基づく貴重なアドバイスを井端監督にしたはずだ。だが、中日担当記者や関係者、そしてドラゴンズファンには、2人のツーショットが実に意味あり気に見えたという。

「井端代表監督の任期は2年と言われています。立浪監督の次の中日監督は、侍ジャパンで箔付けをした井端監督ではないか…と」(前出・同)

 確かに「2年」という短い任期が、波紋を呼んでいる。10月4日の就任会見における井原敦強化委員長の言葉をそのまま伝えれば、井端監督との契約は「来年11月末日、プレミア12までの1年間を前提としている」。

 そのあとは、一大会ごとに更新していくスタイルとも説明していたが、侍ジャパンの最大の目標は、26年3月に行われる次回WBC大会での連覇だ。その大会に向けて、ジックリと新しい代表チームを成熟させていくべきではないのか。

「井端監督が就任してすぐにアジアチャンピオンシップがあって、来年がプレミア12。それだけだとすぐに終わってしまった感も出てきますので、せめてもう1年はやってもらおうということです。25年は大きな国際試合が入っていないので親善試合を組んでいき、その2年間で多くの若手に経験を積ませて行く予定です。井端監督に求められたのは次回WBC大会までに、候補選手を増やすことです」(ベテラン記者)

 結果として、この短期契約に「ほかに本命の代表監督候補がいるのでは?」と、具体的な名前を挙げて憶測が伝えられることになった。それと同時に囁かれていたのが、「立浪監督の後任説」なのである。

28年ロス五輪で野球復活?

 井原強化委員長は会見でこのような話もしていた。

「10年先に視点を置いて逆算して考えると、2、3年のスパンで、常設監督の任期を捉えず、国際大会ごとに、その時点でベストの日本野球の姿を示すことが侍ジャパンのあるべき姿だとも考えた」

 会見に立ち会った関係者の多くが「国際大会ごとに」の意味が分からなかったのだが、9日夕方、ニュースが飛び込んできた。28年開催のロサンゼルス五輪の追加競技の一つとして、野球・ソフトボールが提案されたというのだ。

「ロス五輪組織委員会が国際オリンピック委員会(IOC)に提案したのは、野球・ソフト、クリケット、フラッグフットボール、ラクロス、スカッシュの5種目でした。10月16日には承認されるか否か決まります。野球・ソフトボールは24年パリ大会では採用されないので、提案が通れば2大会ぶりの復帰です。NPBは野球・ソフトがロス大会の追加競技として提案される流れを事前に把握していたのでしょう」(NPB関係者)

 現地時間9日付のロサンゼルスタイムズ電子版によれば、〈組織委員会はこの数ヶ月間、IOCと何度も議論を重ねてきた。全5種目が承認されるだろう〉とあった。

 井端監督について注目すべきは、日本代表と共にU-15チームの指揮も兼任するということ。同監督はU-12を8月まで指揮していた。同監督を知る“U-12の野球少年たち”がU-15のステージで再会し、その選手の中から、将来のプロ選手はもちろん、WBCや五輪に出場するグローイングアップ・ストーリーも実現するかもしれない。

 侍ジャパン監督で、アンダーチームの指揮を兼務するのは初めてだ。そう考えると、井端代表監督はかなり重要な役どころを託されたともいえる。

「WBC、ロス五輪ではかなりの広告出資が予想されます。井端代表監督はベストナイン5度、ゴールデン・グラブ賞7度も受賞した巧打堅守の選手です。でも、失礼ながらネームバリューはイマイチ。ビッグネームのプロ野球OBが井端監督の編成したチームを引き継いで、国際大会の指揮を執ることも予想されます」(前出・同)

 野球・ソフトを五輪の正式種目に復活させるには、アメリカを本気にさせるしかない。ロス五輪は28年7月14日~30日の開催予定。ペナントレースの真っただ中にメジャーリーグが協力できない理由も分からなくはないが、米国の野球ファンをオリンピック中継に振り向かせるとすれば、イチロー氏(49)、ゴジラ松井氏(49)、野茂英雄氏(55)といった、知名度バツグンの日本人元メジャーリーガーに指揮を執ってもらうという可能性もある。

「もしも、松井氏らが引き受けることになったら、日米のファンが注目し、広告出資も増える、本当の意味でのドリームチームになります」(広告代理店スタッフ)

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