南部虎弾さん死去 「毎日焼酎のソーダ割を10杯くらい飲んでます。妻からは“腎臓返して”と…」昨秋語っていた闘病生活

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 過激パフォーマンス集団「電撃ネットワーク」のリーダー・南部虎弾(とらた)さんが、1月20日に脳卒中のため亡くなった。享年72。かねてより糖尿病を患っていた南部さんは、妻からの腎臓移植によって身体が回復、「死ぬまで舞台に」と語っていたのだが……。昨年10月のインタビューを再掲載する。(内容は週刊新潮 2023年10月5日号掲載時点のものです)

 生きたピラニアをエイヤと飲み込んだり、睾丸にひもで結わえたコンクリートのブロックを持ち上げたり――。観客が目を丸くする体を張ったビックリ芸の主は、糖尿病の悪化で足の甲が壊死しても、心臓にバイパス手術を受けても、なおステージに立ち続けたものだ。

 そんなタフな、というか無茶な男の最大の試練は、2019年の腎臓移植手術だった。

臓器の提供を申し出た妻

 南部がそもそも人工透析を拒んだワケは、

“週に2、3日、何時間も拘束されたら地方公演や海外ツアーに行けなくなる”

 というもので、糖尿病を克服するためはり治療や電気治療なるものにまで頼ったという。これに19歳年下の妻が見るに見かねて臓器の提供を申し出たのだ。

「絶対にうまくいくはずがないと思っていましたよ。カミさんとの血液型がまったく違ったので」

 とは南部ご本人。彼の血液型はきわめて珍しいRhマイナスO型。ドナーとなる妻はRhプラスA型で、

「何度も適合試験を受けたのですが、拒絶反応を起こす『危険率』の数値がなかなか下がらない。そのため手術の予定は延期に延期を重ねました。血のつながった親族にいったんは望みを託したものの、唯一適合しそうな弟はC型肝炎持ち。ドナーとなるには不適格でした」

 薬の服用などによって危険率の問題がクリアされたのは、移植手術を受けると決めた日から半年後だった。

 それから4年が過ぎたわけだが、幸いなことに、

「夫婦とも元気ですよ。カミさんは手術の数日後には退院して、病室のベッドに横たわるボクの世話をすぐにしてくれたほど。ボクの体調もバッチリです。酒も毎日飲んでいますので」

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