【科捜研の女】火曜から今度は水曜に移動、しかも8月スタート…異例の事態はなぜ起きたのか

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 8月16日、沢口靖子(58)が主演の「科捜研の女 Season23」(テレビ朝日)がスタートした。前週、同じ枠で放送された「刑事7人」に、沢口が「科捜研」で演じるマリコ役でゲスト出演するサービスもあり、“水曜21時”枠に引っ越しすることを印象づけた。とはいえ、まだ8月半ば、何でこんな中途半端な時期に始まったのか。

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「科捜研の女」は1999年10月にスタートし、一昨年のSeason21まで長らく“木曜20時”の木曜ミステリー枠で放送されてきた。ところが昨年、テレ朝は木曜ミステリーを打ち切ってバラエティ番組に変更。2022年のSeason22は、新設された“火曜21時”のドラマ枠の記念すべき第1作として放送された。

 そして放送25年目を迎えた今年、Season23は“水曜21時”に再び引っ越し。しかも8月スタートである。異例尽くめの事態はなぜ起きたのか。民放プロデューサーは言う。

「16日放送の初回視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)は世帯9・6%(個人5・4%)と、04年のSeason5以来の2桁割れスタートとなりました。ちなみに、裏番組の『上田と女が吠える夜』(日本テレビ)は世帯10・5%と、番組史上最高の数字を記録しました。コア視聴率で比べると、『科捜研』1・8%、『上田と女』5・9%で、トリプル以上の差がついています。やはり放送枠をコロコロ変えるべきではないと思います」

 これでは水曜に引っ越した意味がないような……。

「そもそもテレ朝が木曜ミステリーを打ち切ったのは、シニア世代ではなく若者を視聴ターゲットにするためでした。その一方でテレ朝は、シニア層も若年層も獲りに行く“オールターゲット戦略”を打ち出し、『科捜研』を火曜21時に移したのです」

 ならば、今年も火曜21時で放送すればいいのに。

火曜21時には戻せない

「ところが、新設された火曜21時のドラマ枠では、第2弾に吉高由里子が主演の『星降る夜に』、続いて高畑光希が主演の『unknown』、現在は伊藤沙莉が主演の『シッコウ!!~犬と私と執行官~』が放送され、10月からは松岡昌宏が主演の『家政夫のミタゾノ(第6シリーズ)』の放送が発表済みです。『星降る夜に』以降、そこそこの数字を上げているので、完全に若者向けにシフトしました。結局、テレ朝もシニアより若者で数字を取りたかったわけで、今さら『科捜研』に戻せなくなったということでしょう」

 近年、テレ朝の水曜21時は、4月期は井ノ原快彦が主演の「特捜9」、7月期は東山紀之が主演の「刑事7人」、そして10月から3月までの2クールは水谷豊が主演の「相棒」と、刑事ドラマで固められている。厳密に言えば刑事ドラマではない「科捜研」を、あえてこの枠に持ってきたのはなぜだろう。

「まず、テレ朝の大株主である東映との関係があります。『科捜研』は東映が制作するドラマなので、シリーズを打ち切るわけにはいきません。そして、水曜21時の刑事ドラマ3本は、いずれも東映の制作です。『科捜研』もこの枠に入れるのが一番スッキリするという考えは以前からあったと思います」

 すでに年間の4クールが埋まっている枠なのに?

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