「万博の開催が間に合うかわからない」清水建設会長が激白 維新の会の責任は?

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 もし“世界の国からこんにちは”とならなければ国の威信はガタ落ちである。パビリオンの建設に赤信号がともり、困惑するゼネコン、慌て始めた府知事。このままでは血税1500億円をドブに捨てることになりかねず……。万博、危うし! その戦犯は一体誰なのか。

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「正直に申し上げて、いま図面をもらっても、間に合うかわからないくらいですよ。万博は2025年4月開幕なので、その年の1月か2月には完成させないといけない。あと1年半しかないんです」

 本誌(「週刊新潮」)の取材にそう語気を強めるのは、清水建設代表取締役会長・宮本洋一氏(76)だ。スーパーゼネコンのひとつである清水建設は、つい先日には日本館を請け負うことが発表されるなど、25年の大阪・関西万博の“当事者”にあたる。

 また、宮本会長は建設業の業界団体・日本建設業連合会(日建連)の会長でもある。つまり、建設業界を代表して、万博開催へ向け、警鐘を鳴らしているのだ。

 一昨年の東京五輪に続き、日本経済の「起爆剤」になるはずだった大阪万博。しかし、ここへきて運営主体である「2025年日本国際博覧会協会」(万博協会)のさまざまな「準備不足」が露呈し、開催すら危ぶまれる事態に陥っている。

各国と建設業者との交渉がうまくいかず…

 万博の総事業費は政府と大阪府市、経済界が負担を3等分する会場建設費(約1850億円)のほか、途上国の出展を支援するための費用等が計上されている。そのうち1500億円弱が税金を原資とするのである。

 万博には153の国と地域が参加を表明しており、そのうちドイツやスイスなど56の国と地域が独自のパビリオンを建設する予定になっている。この出展方法は「タイプA」と呼ばれ、万博協会が建てた施設やその区画を借りる「タイプB」「タイプC」とは区別されている。国ごとに独創的なデザインのパビリオンとなる予定で、まさに万博の「花形」として期待されていた――はずだった。ところが、

「パビリオン建設にはまず、各国が大阪市に対し、『仮設建築物許可』を申請しなければなりません。しかし、各国と建設業者との交渉がうまくいかず、7月25日の時点で、タイプAのどの国も提出できていないのです。本来ならこの春にも敷地が各国に引き渡され、建設作業が本格化していてもおかしくなかったのですが……」(大阪府政担当記者)

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