「安倍元首相を神として祭りたい」 世界遺産の宮司が語る神社建立計画

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 安倍晋三元首相の一周忌が迫る中、なんと故人を祭った「神社」が早くも建立されるという話が飛び込んできた。どういうことなのか、計画を進める宮司に経緯を尋ねてみた。

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 徳川家康を祭った日光東照宮や菅原道真を祭った太宰府天満宮など、日本では歴史上の人物が祭神となることが少なくない。しかし、死後1年未満という“スピード神格化”は史上でもまれなのではないだろうか。昨年の銃撃事件に斃(たお)れた安倍元首相(享年67)を祭る神社がいま、なぜか所縁(ゆかり)のある山口県から遠く離れた長野県に建設中だという。

 この“建立計画”を主導するのは、奈良県吉野にある「吉水神社」宮司の佐藤素心(そしん)氏(82)だ。

「安倍さんとは山口県の同郷で、拉致被害者を支援する活動を通じて出会ったんや。僕が自費出版した本に巻頭言を寄せてくれるほど親身に付きおうてくれた」

 と生前の交流をしのぶが、一体どのような経緯で“建立”に至ったのか。本人に語ってもらった。

「僕は登山が好きで、昨年5月に長野県に移住した。高山植物を愛でるうちに白樺の木の魅力に気付いてね。これを祭る神社を造りたいと思っていた時、例の事件が起きた。その後安倍さんの日本を憂える“言霊(ことだま)”が降りてきたのを感じてな。一緒に安倍さんも祭るしかないと思ったんや……」

 作務衣に烏帽子という異彩を放つ出で立ちで現れた佐藤氏はそう振り返る。

「“安倍晋三大人命”として祭り、鎮魂したい」

 そもそも氏が長年宮司を務めてきた「吉水神社」は後醍醐天皇が南朝の皇居にしたという古社で、ユネスコの世界遺産にも登録されている。そんな由緒正しい神社と比較して、佐藤氏の経歴は少々異色だ。

「55歳まで大阪府警にいてな。主にレンジャー部隊で、山岳救助や立てこもり事件の対応もしてたんや」

 その後、故あって神職に。現在は息子に宮司を譲り「名誉宮司」になったというが、爛々とした眼光からはまだ衰えを感じない。

「日本の神様である天照大御神の前には、実は17の神がいる。これと併せて安倍さんを“安倍晋三大人命(あべしんぞううしのみこと)”として祭り、鎮魂したいんや」

 白いひげをなでながらとうとうとその「縁起」を語る宮司。実際にはどのような神社を建てるつもりなのか。

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