“濃い味付け”は子や孫にも悪影響、塩分の70%は「加工食品」から 今すぐ減塩すべき理由とは?

ドクター新潮 ライフ

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 血圧を下げたい……。そんな切実な願いを打ち砕く「塩分」という悪魔。だが、何度も減塩に失敗してきたそこのアナタも、これを読めばきっと塩を減らす覚悟ができるに違いない。東北大学名誉教授の伊藤貞嘉医師に聞いた「塩と血圧」40億年の物語。

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 突然ですが、皆さんは「高血圧パラドックス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは高血圧治療の現場で起こっているパラドックス、つまり“どうにも理屈に合わない現象”を指す言葉です。

 最近は、医療機器の発達により自宅でも簡単に血圧の測定ができるようになりました。また、優れた降圧剤も多く開発されていて、コントロールできない血圧はないとさえいえる。ところが、高血圧の患者数が減っているかといえば、全然そうなっていないのです。

 高血圧患者の医療機関への受診はなかなか進まず、さらに治療を受けてもその一部しか目標血圧に到達することができていません。治療の舞台は整っているのに、それに見合う成果が得られていない。結果として、未だに高血圧が死亡や寝たきりといった障害の最も大きな原因になってしまっているのです。

「サイレント・キラー」と呼ばれる高血圧

 どうしてこのように逆説的な現象が起きてしまうのか。読者の方の中にも耳が痛い人がいると思いますが、高血圧が“無症状”であるがゆえに、治療や生活改善を先延ばしにしてしまう人があまりに多いのです。

 高血圧は「沈黙の殺人者(サイレント・キラー)」ともいわれ、血圧が少々高かろうと普段は痛くも痒くもないし、日常生活を送る上で不自由もありません。そのため、高血圧が脳や心臓、腎臓、血管を傷つけるという重大な事実から目を背け、「時間がない」「面倒くさい」「明日から」と、生活習慣の改善も後回しにしてしまう。

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