共産党が松竹伸幸氏に続き“京都の実力者”も除名の異常事態 問われる「市田」「穀田」の人間性

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松竹氏を救った鈴木氏

 市田氏は元党議長の不破哲三氏(93)に評価された。その結果、市田氏と穀田氏は“党内エリート”の道をまっしぐらに歩むことができたという。

「市田さんも穀田さんも、まるでエリート官僚のようなタイプです。京都にいても、彼らの視線は常に東京の党本部に向けられています。一方の鈴木さんは、京都に深く根ざし、草の根の党活動に従事してきた。感覚が合うはずもなく、党の運営や選挙活動の方向性など、何から何まで対立しました。市田さんと穀田さんにとって、昔から鈴木さんは“目の上のたんこぶ”だったのです」(同・関係者)

 鈴木氏は松竹氏とも深いつながりを持っている。松竹氏は2005年、「自衛隊解消までの過渡的な時期に日本が他国から侵略を受けた場合、自衛隊を活用する」という趣旨の論文を発表した(註)。

「これを『自衛隊活用論』と呼び、実は志位さんも最近になって似たようなことを口にしました。しかし松竹さんが論文を発表すると志位さんは激しく批判し、松竹さんは“自己批判文”を書かされたのです。そして翌06年、勤務先だった党中央委員会から“放逐”されました。それを見た鈴木さんが松竹さんに声をかけ、かもがわ出版に招いたのです」(同・関係者)

 自己批判や放逐など、まるで中国の文化大革命のようだ。共産党のアナクロニズムには驚かされる。

 それはともかく、志位、市田、穀田の3氏が“人事権”を濫用し、松竹氏と鈴木氏の地位を不当に奪ったのは間違いない。彼らがやったことはブラック企業と全く同じだろう。

註:岐路に立つ共産党 「自衛隊活用論」の本気度(毎日新聞・電子版:2022年11月2日)

デイリー新潮編集部

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