歴史上2人目の日仏ハーフの歌舞伎俳優・尾上眞秀 いとこの丑之助とは「襲名競争」になる?

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 400年の歴史を誇る歌舞伎界で初めての試みがあった。今月7日に行われた歌舞伎座公演「團菊祭五月大歌舞伎」の記者会見のことで、場所は東京・南麻布のフランス大使公邸。女優・寺島しのぶ(50)の一人息子・寺嶋眞秀(まほろ)(10)が「初代尾上眞秀」を名乗る初舞台の発表だが、歌舞伎の歴史において外国公館での会見は珍しい。

「寺島の父・7代目尾上菊五郎(80)をはじめ、弟の尾上菊之助(45)、フランス人の夫でクリエイティブディレクターのローラン・グナシア氏(55)といった、親族一同が顔をそろえました」

 と言うのは演劇記者。

「眞秀は流暢(りゅうちょう)なフランス語で自己紹介し、続けて“僕とパパの母国・フランスで歌舞伎公演をやりたい”と抱負を語りました」

 会見場所こそ初めてだったが、斯界におけるフランス人の血を引く俳優の登場は尾上眞秀で2人目となる。

「最初は戦前に活躍した15代目市村羽左衛門(うざえもん)です。持ち前の美貌ぶりから、当時は“花の橘屋”と呼ばれて絶大な人気を誇りました。父母のことなど出生にまつわる詳細は終生明らかにされず、そのまま昭和20年に亡くなった。その後、作家の里見惇が著書『羽左衛門伝説』で、父がフランス生まれの外交官だったことを明らかにしたのです」

女性だから歌舞伎俳優になれず

 眞秀は、78年ぶりに登場した日仏ハーフの歌舞伎俳優になる。

「菊五郎は脊柱管狭窄症を理由に3月公演を休演します。それでも“リハビリを重ねて、5月には元気な姿をお見せしたい”と、孫との初共演に期待を寄せています」

 眞秀の初お目見えは4歳の時。以来、テレビドラマやCMにも出演を重ね、母の寺島がナレーションを務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」では、家康の長男・信康の少年時代を演じる予定だ。が、梨園関係者は声をひそめて言う。

「菊之助の長男・丑之助(9)は5歳で初舞台を踏んだものの、露出の頻度や注目度では眞秀が上。寺島は音羽屋(菊五郎の屋号)の長子ですが、女性なので歌舞伎俳優になれなかった。それだけに息子には、歌舞伎俳優として大成してほしいとの意識が強いんです。菊五郎は彼女が男だったら継承したはずの大名跡。いずれは眞秀に継がせたい気持ちがある」

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