「インフル患者」急増で“マスク意味ない”の声も… 専門医が明かす“感染拡大”の真相と、軽視できない高リスク層

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注意が必要な「高齢者」と「9歳以下の子供」

「日本でいま流行っているインフルエンザはH3N2と呼ばれるもので、昨夏、オーストラリアで流行した型と同じです。感染力は弱くはありませんが、オーストラリアでの報告事例からは重症化や致死率が高いといった点は確認できず、“今年のインフルが強毒化している”との指摘は当たらないと考えます」(寺嶋氏)

 ただし、それでも注意しなければならない年齢層があるという。

「インフルエンザによる入院患者(第3週)のうち、5割を占めるのが9歳以下の子供たち。そして3割を占めるのが60歳以上の高齢者です。過去2シーズン、インフルエンザの流行がほぼゼロだったため、特に4歳以下の子供については本来なら有していたはずの免疫の獲得や蓄積の機会を逸している可能性があり、注意が必要です。またインフルエンザに罹患することで、子供はインフルエンザ脳症を、高齢者は肺炎を引き起こすリスクがあり、どちらも命に関わる疾患のため、流行の強弱にかかわらず軽視はできません」(寺嶋氏)

 過度に恐れる必要はないが、対策を怠らないことも重要ということだ。増えている家庭内感染を防ぐためにも、ワクチンの予防接種はいまからでも遅くなく、マスクや手洗いなどの習慣も変わらず有効という。

デイリー新潮編集部

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