「ロシアは負けない」発言の森喜朗氏に、防衛大名誉教授が言いたいこと

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移住のススメ

 AFP=時事は1月25日、「ドイツ、ウクライナへのレオパルト戦車供与を承認」の記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。

「ナチスの悪行を十字架として背負い、“力の政治”を封じることが、戦後ドイツ政治の根本方針でした。ドイツには、第二次世界大戦での対ソ戦という負い目もあります。長く融和的な外交姿勢を続けてきましたが、戦車の供与を決めました。理由はアメリカ、イギリス、フランスを初めとするNATO加盟国がドイツに圧力を掛けたからです。こうした国際政治の現状を森さんがご存知だったら、あんな発言はできなかったでしょう」(同・佐瀨氏)

 NATO加盟国は一致団結してロシアに立ち向かっている。ドイツでさえ“NATO協調路線”を選ばざるを得なかった。まして日本が“独自外交”を展開できる余地などないし、何より必要性も乏しい。

「ヨーロッパで暮らすと国際政治の現実を肌で感じることができます。アメリカの巨大な国際政治力も日本で感じるより鮮明です。森さんも、例えばポーランドの首都ワルシャワに1カ月でいいからお暮らしになってはどうでしょうか。ロシアやNATO加盟国の実像が見えてくると思います」(同・佐瀨氏)

註1:「こんなにウクライナに力を入れていいのか」自民・森喜朗元首相(朝日新聞デジタル:1月25日)

註2:森氏、ゼレンスキー氏を批判 「ウクライナ人、苦しめている」 鈴木宗男氏パーティーで(毎日新聞:2022年11月19日)

註3:森元首相「ロシア敗北考えられず」 ウクライナ支援を疑問視(時事通信・1月25日)

註4:安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会

デイリー新潮編集部

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