ヘンリー王子の「暴露本」行間の読み方 「キャサリン妃vs.メーガン妃」二つの事件が

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 英国のヘンリー王子の「回顧録」が、ついに刊行された。赤裸々な“暴露”は、王室をはじめ世界を震撼させること必至である。

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 ヘンリー王子の回顧録『スペア』は今月10日、ペンギンランダムハウス社から16カ国語に翻訳されて発売された。5日にはスペインで“フライング販売”もあり、肝心の内容は欧米メディアが大々的に報道。昨秋のエリザベス女王の死去を受け、ヘンリー王子側が王室に配慮して加筆訂正がなされたともいわれていたのだが、

「王室との間に拭い難い禍根を残す内容であることに驚きました」

 とは、英国在住ジャーナリストである。

「中でも目を引いたのは2019年、兄のウィリアム王子(当時・以下同)がヘンリー王子の自宅を訪れた際、メーガン妃を『ぶしつけ』『気難しい』などと批判したことからけんかになり、兄が弟につかみかかって床に押し倒したという記述。この時ヘンリー王子は背中に傷を負い、兄は『メグ(メーガン妃)に言う必要はない』と言い残して帰っていったというのです」

仮装パーティー事件

 兄弟のエピソードは随所にちりばめられており、

「世界中から非難を浴びた05年の“仮装パーティー事件”にも触れられています。ヘンリー王子がナチスの制服を着て出席し、大衆紙『サン』で報じられた一件ですが、本人は『私の人生で一番大きな過ちの一つ』とネットフリックスの番組で語りながらも、回顧録ではコスチュームについて事前に兄とキャサリン妃(当時は交際中)に相談したところ、ナチスの衣装を勧められたと明かしているのです」

 そもそもタイトルの『スペア』とは、

「王位継承者の“予備”であるというヘンリー王子自身の立場を表しています。次男としての悲哀や懊悩(おうのう)が本書の通奏低音で、実際に、ヘンリー王子を出産した直後のダイアナ妃にチャールズ皇太子が『継承者とスペアまで産まれて、任務は完了だ』と声をかけたとの記述もあります」

 王族とはいえ、しょせんは兄のスペアに過ぎない。そんなわだかまりやねじれた感情の渦が、本書からはにじみ出ているというのだ。

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