国葬の2週間後に山口県で開催される「県民葬」 昭恵夫人は「ありがたい」、予算はいくらか?

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「顕彰制度と同じだと思っていただければ…」

 やはり国葬同様に反対意見も出ているという。「共産党など反対派団体による申し入れが数件、電話による抗議も来ている」(県の担当者)。理由で最も多いのは、「評価が分かれている政治家なのになぜ税金を使うのか」(同)という意見だという。

 開催は議会にはからずにトップの意向で決められるというが、法的根拠はどうなっているのだろうか。担当者はこう答える。

「はっきりと法的根拠があるわけではありません。ただ、逆に出来ないと定められているわけでもない。各自治体が広く行っている功労者を顕彰する制度と同じだと思っていただけるとわかりやすいかもしれません」

反対派は法廷闘争も検討中

 8月28日には、「安倍元首相の国葬・県民葬に異議あり!山口県民の会」主催によるオンライン講演会も開催された。参加した前参議院議員でジャーナリストの有田芳生氏によれば、「地元弁護士やキリスト教関係者が、『思想信条の自由を侵すものである』などと猛反発していて、裁判も含めて検討している」とのことだ。

 有田氏自身も反対の立場である。

「佐藤栄作さんの時に国葬ではなく国民葬にしたのも、法的根拠がないことが理由でした。ノーベル平和賞を受賞した元首相ですらそうだったのに、なぜ安倍さんが国葬・県民葬なのか。安倍さんは拉致問題でも成果は出せなかったし、国会で100回以上も虚偽答弁したことも衆議院の調査ではっきりしている。安倍さんの時代に作られた安保法制や特定秘密保護法に対して評価しない声がある。世論を二分してしまった総理だったことを考えると、国葬や県民葬を開くべきではないと思います」

 山口県で4000万円と聞くとつい阿武町の誤振込騒動を想起してしまうが、問題は金額だけではない。国葬にばかり目が行きがちだが、県民葬についても「地元だから」「慣習だから」だけで行われて良いものなのか、もっと広く議論すべきであろう。

デイリー新潮編集部

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