安倍元首相銃撃事件で、奈良県警本部長は更迭で警察に留まるのか、辞職で警察を去るのか?

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公安畑のキャリア官僚

 360度ガラ空きの場所を演説会場として認め、その場で警護対象者である安倍晋三元首相を死亡させてしまった奈良県警。警察庁の次長をトップとする検証チームが8月中に検証結果を公表する予定で、それを待って関係者の処分が下される見込みだ。差し当って、奈良県警トップの鬼塚友章本部長が更迭はされるものの警察には留まるのか、辞職して警察を去るのかについて注目が集まっているという。

 まずは、奈良県警の鬼塚友章本部長(50)の経歴を確認しておこう。は福岡高校から九州大法学部を経て、1995(平成7)年に警察庁へ入庁した。

「警備・公安畑を歩み、これまで長野県警察警備部警備第一課長、神奈川県警察警務部首席管理官兼総務部首席管理官、警察庁警備局公安課理事官などを務めてきました。加えて警察庁警備局では警備課警護室長として、首相の外遊に伴う警備を担当していました。表向きには警備の実情をよく知る人物であることは間違いなく、そのような人物が本部長であるタイミングで今回の大事件が起こってしまったのは皮肉としか言いようがありませんね」

 と、社会部記者。

警備実施プランを確認したのか?

「鬼塚氏は内閣情報調査室に勤務していた頃に当時のトップ・北村滋内閣情報官に見いだされ、北村氏がNSC(国家安全保障局)に転じる際にこれに従って異動し、内閣参事官を務めました。北村氏の辞職後に警察庁に戻り、同期と同様、県警の本部長をということで回ってきたのが奈良で、今年3月に赴任しました」(同)

 鬼塚氏は銃撃事件発生翌日の9日夜に会見し、「私自身も平成7年に警察官を拝命して、27年余りの警察官人生での最大の悔恨、痛恨の極みだ。責任の重さを痛感している」などと述べた。

「直後の辞任こそ否定しましたが、四半世紀以上の警察官人生を振り返ったあたり、辞職を覚悟して腹を括り、トップに判断を委ねているのだなと思わせた内容でした。まさにまな板の鯉の状況でしょう」(同)
 
 事件当日には、県警本部と現場を管轄する警察署が拳銃にまつわる不祥事について会見を開く予定だったことも報じられた。

「その準備で忙(せわ)しない間に安倍氏の演説日程が急遽入ってきて、上を下への騒ぎになったようです。警備実施計画は過去に演説をした政治家の時のもののコピペに近いものとならざるを得ず、本部長による承認は当日朝となりました」(同)

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