H.I.S.が「ハウステンボス」を投資会社に売却へ 澤田会長にとって売却額800億円は高いか安いか

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資産は420億円

「1992年の開業以来、ハウステンボスは赤字が続き、2003年には会社更生法を申請して経営破綻。そこで野村証券系のファンドの傘下になりました。それでも赤字状態を抜け出せませんでした。実は2008年、私もハウステンボスの経営を打診されました。地方に転勤するつもりがなかったのでお断りしましたが……。そこで2010年、佐世保市長が三顧の礼で澤田会長を招いたのです。ハウステンボスの資本金は15億円でしたが、そのうちH.I.S.は67%の10億500万円を出資しています」

 ハウステンボスがH.I.S.の傘下になると、わずか半年で黒字に転化した。

「イルミネーションに力を入れて集客を高めました。でも黒字になった一番の理由は、佐世保港に大型クルーズ船が接岸できるように工事を行ったことです。これで中国や韓国、台湾からのクルーズ客が一気に増えて黒字になったのです。佐世保港はインバウンドの九州の入り口となり、H.I.S.のクルーズ会社もかなり潤いました。この経営手腕は見事でしたね」

 ハウステンボスの売却額は800億円程度と報じられている。

「10億500万円で買って800億円で売れたら、澤田会長としては万々歳でしょう。これで今期の赤字も解消できますからね。H.I.S.が2010年に買収した時は、ハウステンボスの資産は93億円でした。ところが現在は420億円まで増えています。800億円はその倍となるわけですから、妥当な金額だと思います。コロナの影響がなくなれば、海外からのインバウンドも増えて、ハウステンボスは大きな利益が見込めると香港の投資会社は試算しているのでしょう」

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