64歳になる「原監督」仮にBクラスで終了でも超長期政権となる可能性も 山口オーナーが監督交代に消極的な理由とは?

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第1次原政権は2002年から

 厳しい現実を突きつけられている。ヤクルトに独走を許しつつも、つい1週間までセ・リーグ2位をキープしていた巨人は21日現在5位と低迷のただ中にある。18日からのヤクルト戦(神宮球場)では、コロナ感染者が続出した手負いのチーム相手に負け越し、直近10試合で2勝8敗とまるで覇気がない。22日で64歳の誕生日を迎える原辰徳監督率いる第3次政権はいつまで続くのか。その見通しについてお伝えする。

 首位・ヤクルトとの差は14ゲーム、最下位の中日とは3.5ゲームと絶望的な数字が突きつけられ、重苦しいムードが漂っているのは明らかだ。それでも原辰徳監督は「やっぱり、まだまだ力の差があるというところじゃないでしょうかね」などと、まるで開き直ったかのように淡々とコメントすることもしばしば。ポジティブな視点でとらえれば、2002年の第1次原政権から数えて今季で通算就任16年目となり、あらゆる境遇にも動じなくなっているのかもしれない。

去就問題に火が付くことは必至

 その原監督は巨人と昨季終了後、新たに3年契約を締結し直している。ちなみに振り返ってみると、現在の第3次原政権は19年シーズンからスタート。監督として再々復帰した就任1年目、さらに2年目とチームをリーグ連覇へと導いてさすがの手腕を発揮したが、日本シリーズでは2年連続でいずれもソフトバンクに1勝もできず屈辱の4連敗を喫し、辛酸を舐めた。

 ここから日本一奪回を大目標に掲げたものの昨季はヤクルトがリーグ優勝。巨人は3位に沈み、CS(クライマックス・シリーズ)からの下克上も叶わなかった。今季も余程のことがなければ、このまま史上最速でマジックを点灯させたヤクルトがリーグ連覇を達成する公算が大きい。

 今年のペナントレースで、ヤクルトの独走を許す現状において原監督への風当たりはタダでさえ強まっている。2年連続でV逸となり、CSでも再び返り討ちにされれば、たとえ残り2年の契約期間があっても去就問題に火が付くことは必至だ。仮にBクラスに転落してシーズン終了となれば、なおさらである。

契約を見直す流れにはならない

 ところが、今季のチーム成績がどのような結果に終わろうとも原監督の契約を巨人側が見直す流れにはなりそうもない。それどころか、球団ならびに親会社・読売新聞グループ本社サイドは原監督に「あと6年やって第3次政権は10年、指揮を執り続けてほしい」との願望を抱いているという。

 どういうことなのか?

 球団でも長きにわたってフロントで要職に就いていた経験のある同社関係者の1人は、次のように打ち明ける。

「読売新聞グループ本社社長で球団トップの山口寿一オーナーは、原監督の手腕とカリスマ性を非常に高く評価している。原監督の再々復帰にゴーサインを出し、編成面でも決定権を持つ“全権監督”として迎え入れたのは山口オーナーの強力な後押しがあったからこそ」

 そもそも今回の第3次原政権は当初から“原野球の集大成”として長期政権を念頭に船出した経緯があり、全権を担う原監督に長いスパンでチーム作りの舵取りを任せようという方針で固まっている。

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