後ろ盾を失った高市早苗氏は終わった? 「同様の支持を得るのは難しい」

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 誰もが予期していなかった実力者の死によって、政界地図が大きく塗り替えられるのは、当然の帰結である。最大派閥は混迷、保守派はリーダーを失い、泣く人、そして笑う人は――。

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 安倍氏の死去からわずか3日後。今後の清和会(安倍派)の行末を暗示する出来事があったという。

「この日の昼、都内で派の一部の幹部による会合が開かれました」

 と打ち明けるのは、さる清和会の関係者である。

 呼びかけたのは西村康稔・前コロナ担当大臣。彼が根回しし、下村博文・前政調会長、世耕弘成・元経産相らが集まった。

「が、呼ばれたうちの一人が“これでは西村が後継選びの主導権を握ることになってしまう”と疑った。西村さんはスタンドプレーで有名な人ですからね。で、会合の存在をさるベテラン幹部に教えたんです。幹部は勝手なことをするなと乗り込み、西村さんに“ここで決めようとするな”と釘を刺した。結局、会は『結束』を確認しただけで、早々に解散となりました」

総裁の座を狙う野心家たち

 言うまでもなく、清和会は最大派閥。ここには、先の3名以外にも総裁の座を狙う野心家がいる。

「萩生田(光一・経産相)さんと稲田(朋美・元防衛相)さんですね。彼らにとっては最大派閥の長となることが将来への大きなステップ。だからお互いに後継を譲る気はない。安倍さんは生前、自分の影響力を残す狙いもあって、次の会長候補を明確に絞ってこなかった。そのツケが回っているような気がします」

 加えて、清和会には、また別の流れもある。

「先の“安倍系”メンバーに加え、福田赳夫元総理の流れを汲む“福田系”も存在します。現幹部では、松野博一・官房長官や、若手のホープといわれる福田達夫・総務会長がそうですね」

 これら個性の強い面々がまとまっていたのも、憲政史上最長政権を率いた安倍元総理という“重し”があったから。その存在が失われた今、派閥は分裂含みで混迷は必至だという。

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