「六本木クラス」第1話で3つの違和感 浮き彫りになる「韓国ドラマ」リメイクの難しさ

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

 7月7日、韓流ドラマのリメイクとして鳴り物入りでスタートした「六本木クラス」(テレビ朝日)の初回視聴率は9・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)だった。やや期待外れという声もあるが、その後《【テレビ朝日史上最速】で見逃し配信200万再生突破!》と発表するなど、巻き返しに必死だ。

 ***

 韓国のWebコミック「梨泰院クラス」は、ソウル市内の飲食店激戦区・梨泰院(イテウォン)を舞台にした復讐劇だ。この原作をもとにした同名ドラマが韓国で大ヒット、日本でもNetflixで配信されて大人気に。

 木曜ドラマ「六本木クラス」は、原作の舞台を六本木に置き換えて翻案された「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」をドラマ化したものだ。主演は竹内涼真で、敵役の外食大手社長には香川照之、その御曹司に早乙女太一。民放プロデューサーは言う。

「テレ朝が視聴者層の若返りを図るため、巨額の予算と社運を賭けたドラマと言っていいでしょう。それだけに、初回9・6%と二桁を切った視聴率は拍子抜けだったと思います。ドラマの現場は相当落ち込んでいるようです」

 一桁スタートとはいっても、テレ朝は公式Instagramで《【テレビ朝日史上最速】で見逃し配信200万再生突破!》と宣伝している。9・6%ならば巻き返しも可能かもしれない。

武井咲以来の一桁スタート

「一桁スタートはかなりのショックだったと思います。テレ朝にとって木曜ドラマ枠は、稼ぎ頭のひとつと言ってもいい優良枠でしたから。低視聴率と言われた前作・木村拓哉主演の『未来への10カウント』ですら、初回は11・8%でした。木曜ドラマ枠で一桁スタートとなると、2015年7月期の武井咲主演『エイジハラスメント』(初回9・7%)まで遡らなければならないんです」

 確かに木曜ドラマは、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(主演:米倉涼子)はじめ、「緊急取調室」(主演:天海祐希)、10月に劇場版が公開される「七人の秘書」(主演:木村文乃)などヒット作が多い。なぜ、この枠で不調だったのか。

「実は業界では、この残念な結果は予想されていました。2年前、テレ朝は米国の大ヒットドラマ『24』を、唐沢寿明でリメイクした『24JAPAN』で大失敗しましたが、今回もダメではないかと言われていたのです。そもそも本家の韓国ドラマ『梨泰院クラス』が日本でヒットしたのは、Netflixの有料配信によるものでした。主な視聴者層は極端に若い年代ですから、50代以上の視聴者が多いテレ朝とは相性が良くありません。しかも、復讐劇であると同時にラブストーリーでもある『六本木クラス』は、年配層にも人気がない。結局、リアルタイムでは、どちらの層にも見られなかったというわけです」

 二兎追う者は一兎をも得ず、ということか。

次ページ:香川照之の土下座要求

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。