巨人「坂本勇人」に一塁転向プラン 実現する可能性はあるか【柴田勲のセブンアイズ】

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坂本勇人の欠場

 巨人が10日のDeNA戦(東京ドーム)で延長戦の末に4対8で敗れた。これで引き分けを挟んで3連敗、貯金は0となった。首位のヤクルトとは13ゲーム差だ。

 10日の一敗は実に痛い。5日からのヤクルト戦は2勝1敗と勝ち越しながらもDeNA3連戦は2敗1分だ。とにかくヤクルトを追って行くしかない巨人にとっては弾みをつける必要があった。

 だがDeNAが逆に引き分けを挟む3連勝で4位に浮上し、3位の広島に0.5ゲーム差と接近してきた。阪神も上位進出を狙っている。どのチームも巻き返しを図っている。

 2位・巨人はこれから上を見て戦うのではなく下を見て戦う必要がある。

 チームの要・坂本勇人が6日のヤクルト戦で腰を痛めて途中交代、翌7日に出場選手登録を抹消された。以後は前述の通り引き分けを挟んで3連敗だ。
 
 確かに5番・坂本の欠場は痛いが、10日の試合は今季の巨人を“凝縮”した一戦ではなかったか。エース・菅野智之がピリッとしない。7回を4失点だ。主砲・岡本和真は5打数無安打に終わった。5打席のうち4打席で走者を置いたが快音はなかった。

 投げるべき人が投げて打つべき人が打つ。これが全くできていない。今年はこんな試合を何度も見せられた気がする。

岡本の改善すべき点

 菅野は7回を被安打6だった。6月2日のソフトバンク戦で6勝目を挙げて以来、1カ月以上勝ち星から遠ざかっているが、それも当然だろう。ハッキリ言って力がない。

 150キロの球は出たもののほとんどが140キロ台前半から半ばで、それがストライクゾーンのベルト辺りに集まっている。しかもビシッという球がない。さらに全123球のうち、外角低めに決まった球はただの一球もなかった。

 これでは打者は怖くない。打ちやすい。普通の投手になってしまった。DeNAの打者陣は上から目線で対していたように見えた。エースで中7日もらっているのだ。もっと闘争心を前面に出してもいい。エースの復調なしに上昇曲線は描けない。

 岡本和は一度不調にはまると長引くタイプではある。でもそれにしては長い。ヒットが出ない。打率は2割4分8厘、ここ4試合で打点は0である。4番の仕事はここぞという時の一振りだ。

 坂本の欠場で「オレがなんとかしなきゃ」という気持ちが強いのかもしれないが、打席で迷っている。岡本の好調時は中堅から右方向へ打球が飛ぶ。それが姿を消している。

 バットのヘッドが走っていない。寝かせたらダメだ。内角球には詰まるし、外角球には空振りをする。下からしゃくり上げるのはよくない。前でさばくことだ。

 一度記したがライナーを打つ練習をした方がいい。試合に入ったら忘れる。練習を繰り返すことによって前でさばけるようになる。

 坂本不在のいま、頼りになるのは岡本のバットだ。主砲の一打がチームを鼓舞する。菅野同様、4番岡本の復調なしにヤクルト追撃はない。

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